研究課題/領域番号 |
04452093
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物性
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
上田 一之 大阪大学, 工学部, 助教授 (60029212)
|
研究分担者 |
高井 義造 大阪大学, 工学部, 助教授 (30236179)
|
研究期間 (年度) |
1992 – 1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
|
キーワード | シリコン / シリサイド / 水素終端化 / 水素吸着 / 水素検知 / エピタキシー / 電子励起イオン脱離 / TOF-ESD / 電子励起脱離 |
研究概要 |
本研究の目的はわれわれによって最近開発された電子励起イオン脱離(TOF-ESD)法をシリサイド問題に応用することにあった。シリサイドはその形成の初期過程で不明の点もあり原子レベルの解析が必要と思われる。原子状の水素がシリコンのダングリングボンドを終端化し、安定な表面が発現することが判っているので、この機構がシリサイド形成を解く鍵になると考えられる。遷移金属を中心としたシリサイドの研究はショットキーバリヤーや金属とシリコンの接触の観点から重要な問題である。最近、シリコンによる超LSIの技術がサブナノメーターの領域に入って素子のサイズが小さくなり、酸化物との界面、絶縁性および、温度上昇によるシリサイドの進行など、今後のデバイス技術の超精密化の問題点となっている。このような状況の下で安定した素子作りのために、良質の酸化物と共に、シリサイド形成の機構を再検討しておく必要があると考えられる。 水素の高感度検知を可能にした電子励起イオン脱離(TOF-ESD)法を用いることにより、薄膜作成中の装置の中で、その場観察により水素の分析を行いながら成長様式を研究できる環境を作ってきた。この一つの応用として原子状水素によって終端化されたシリコン表面に形成されるシリサイドの機構を詳細に調べて、新しい機能性を持つシリサイド膜の発現を期待している。そのために、1.従来のRHEED-AES-TOF・ESDの他に、TOF-ESDと走査トンネル顕微鏡(STM)を組み合わせた装置の開発に取り組み、グラファイト上のニッケルの成長過程を観察し、√<3x>√<3>構造の成長を観察した。2.シリコンへの水素吸着特性や水素終端化の問題を追求し、Si(100)面とSi(111)面の違い、また、チョコラルスキー成長の結晶とフローテイングゾーン成長の違いで水素の吸着特性が異なることが判った。3.ニッケル面の制御と酸素、水素、一酸化炭素との相互作用を基礎的な見地から研究した。4.不完全ではあるがAl/H/Si(100)および、Ni/H/Si(111)等の研究にも取り組み、水素の効果で従来とは異なった成長様式が現れることを明らかにした。今後これらの成果を踏まえて原子レベルの観察による研究を予定している。
|