配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1994年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1993年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1992年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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研究概要 |
本研究では,代表的な耐熱高分子をマトリックスとする繊維強化複合材料の,最も基本的な積層構成である0°/90°層からなる直交積層板を用い,(1)90°層内の初期マトリックスクラック発生,(2)マルティプルマトリックスクラック発生,(3)マトリックスクラック端部からの層間剥離発生,の各段階におけるミクロな変形・破壊プロセスを,負荷装置を付加した光学顕微鏡(OM),走査型電子顕微鏡(SEM)および走査型超音波顕微鏡(SAM)を用いる単調負荷および疲労負荷中のその場観察により定量的に明らかにするとともに,実験結果を説明し得る新しいマイクロメカニクス理論解析を行った. 1.実験材料としては,標準材としての180℃硬化従来型エポキシ樹脂(TGDDM/DDS系),およびそれを高靭化したものをマトリックスとするカーボン繊維強化複合材料を用いた.変形破壊プロセスの相違を調べる目的で,積層構成としては,基本的な[0/90n/0](n=4,8,12)を用いた. 2.層間剥離発生を抑制する目的で,層間にそれぞれ異なる樹脂層を導入した2種類の積層板を製作し、損傷プロセスに与える効果を明らかにした. 3.室温および80℃における負荷中OM,SEMまたはSAM内のその場観察装置を用いて,(1)90°層内の初期マトリックスクラック発生,(2)マルティプルマトリックスクラック発生,(3)マトリックスクラック端部からの層間剥離発生,の各段階におけるミクロな変形・破壊プロセスを各負荷段階でその場観察した. 4.90°材強度の統計的性質を考慮したマトリックスクラック発生則,エネルギバランスに基づく層間剥離進展則を新たに提案し,上記実験結果を説明した.
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