研究課題/領域番号 |
04452153
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機械力学・制御工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中村 仁彦 東京大学, 工学部, 助教授 (20159073)
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研究分担者 |
吉本 堅一 東京大学, 工学部, 教授 (10011074)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
1993年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1992年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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キーワード | 非ホロノミック拘束 / 非線形制御 / 運動計画 / 宇宙構造物 / 宇宙ロボット / ロボティクス / 非可積分系 / 角運動量保存則 / 非ホロノミックシステム / 非可積分拘束条件 / 水中ロボット / 剛体多リンク系 |
研究概要 |
本研究では非ホロノミックメカニカルシステムの運動計画と制抑の問題に共通する数理構造的性質を明確にするとともに、各具体的なシステムの運動計画と制御に非ホロノミック性を利用する方法を確立することを目的として研究を行った.研究成果は以下のように5つの項目からなる. (1)宇宙多体構造物の動力学計算法と宇宙におけるUnder-Actuated Mechanismsの非駆動一般化座標の拘束条件の可積分性について研究した.前者は運動量や角運動量を陽に計算し外力や外モーメントの影響も計算できる新しい効率的計算法である. (2)宇宙において自由関節で連結して多体構造物を作ることを提案し、1つのBodyに搭載された姿勢制御装置だけを用いて全体の形状を安定化する一つの方法を示した.この様なシステムは大型宇宙構造物における弾性による振動の発生という問題を持たず、自由にリンクを増減できることからRecon-figurabilityに優れており、将来の宇宙倉庫などに有効に利用できる構造である. (3)幾何学的な非ホロノミック拘束を受けるさまざまなロボットシステムの問題を議論した.水中ロボットのトラッキング制御ではほぼ大域的な漸近収束性を持つ非線形制御則を提案した.宇宙ロボットの非ホロノミック冗長性とは従来の冗長性のようにInternal Motionを持たない新しい大域的な冗長性である.この一つの利用方法を確立した.宇宙ロボットの人工衛星姿勢とマニピュレータ関節の任意に与えられた軌道を、マニピュレータの関節の制御だけで実現できる近似軌道に変換するための計算法を確立した.また、宇宙構造物の継続する弾性振動によって非ホロノミック性が原因となり姿勢のドリフトが生じることを明らかにした. (4)宇宙ロボットのエネルギ消費を低減するためにコントロール・モーメント・ジャイロの冗長空間に運動エネルギを蓄積してエネルギの放出・回生を行うことを提案し、その制御方法を確立した. (5)従来にない新しい非ホロノミックシステムとして、2つのモータで任意な数の関節を駆動するマニピュレータを提案した.これは球面型の非線形無段変速装置を使用して実現できる.可制御性、Chained Formへの変換法などを確立した.現在、フィードバック制御、オープンループ制御の研究とともに、実験装置の試作設計を行いつつある.
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