配分額 *注記 |
7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
1994年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1993年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1992年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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研究概要 |
コンピュータ間の通信を実現するプロトコルとしては,正当性検査のしやすさ,異機種間での運用の容易さなど点から,階層構造により標準化・実装がなされている.しかし,多層プロトコルでは伝送速度が高速になると,プロトコル処理時間や応答待ちによって生じるオーバヘッドが大きくなり,伝送効率が大幅に低下する.高速通信を実現するためには効率のよいプロトコルが必要がある. 多層プロトコルではプロトコルとスループットの関係は複雑であり,ソフトウェアによるコンピュータ・シミュレーションではこうした評価には十分でない. 本研究では,複数のトランスピュータを用いて,ハードウェア的にプロトコル・シミュレータを作成し,ネットワーク・ノードとネットワークリンクをシミュレートした.ノードにおいて実際にプロトコル処理を行い,リンクでは伝送遅延と転送誤りをシミュレーとすることで,理論的評価では困難で多層プロトコルの評価を,伝送誤りの発生する環境で行った. シミュレータを用いて,ウインドウサイズやデータ長,応答間隔などのプロトコル・パラメータや,伝送速度や誤り率,伝搬遅延などのネットワークの条件がネットワークのスループットとパケット遅延に与える影響を評価した. また,設計したシミュレータを用いて,チェックサム計算がスループットに与える影響,並列処理による性能向上,およびメモリバンド幅の寄与を評価し,100Mb/s以上の高速通信のためのプロトコルを設計するときの指針を示した.
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