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文化財におよぼす酸性霧の影響に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 04452255
研究種目

一般研究(B)

配分区分補助金
研究分野 建築設備・環境工学
研究機関東京国立文化財研究所

研究代表者

門倉 武夫  東京国立文化財研究所, 保存科学部, 室長 (10000457)

研究期間 (年度) 1992 – 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1993年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1992年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
キーワード酸性雨と文化財 / 文化財の環境 / 大理石の劣化 / 酸性雨の影響 / 環境汚染 / 環境と影響 / 酸性霧 / 保存科学
研究概要

屋外に晒されている大理石質文化財は多岐にわたる素材の中で最も環境汚染の影響を受け易いことに着目し,大理石テストピースを用いて文化財に対する環境汚染の影響度を評価することを目的として実験を行った。実験方法:大理石テストピースを上野公園,鎌倉市内の文化財施設に隣接して設置し,同一地点で降雨,霧、ガス汚染質を測定した。テストピースは3ヵ月経過後回収して重量変化,表面生成物の測定を行い汚染物質濃度と比較検討した。(1)テストピースの調整:表面が均一な建築材料用の化粧板(厚さ0.5mm)を20x20mmに切断したものを1組3〜5個を支持板上に固定する。(2)テストピース暴露期間および汚染因子の測定:テストピースの暴露は1単位3ヵ月間として4単位計1年間,この間の汚染物質の測定は1ヵ月間の積算法で求めた。(3)結果の解析:回収したテストピースは重量を測定後,X線回折法で表面変化を測定した。汚染物質は1ヵ月毎の降雨水のpH,導電率,C1^-,NO^-_3,SO^<2->_4,濃度を,霧中のC1^-,NO^-_3,SO^<2->_4濃度,気体汚染質はNO_2,SO_2濃度を求め各月の累計値をテストピースの変化量と比較した。結果および考察:大理石テストピースは屋外に3ヶ月間の暴露で初期重量の0.1〜0.4%の減量があり,これは降雨中のC1^-,NO^-_3,SO^<2->_4の総量に相関がみられた。百葉箱内では3ヵ月頃まで重量が増加し,表面のX線回析でCaSO_4・2H_2Oを検出したが,その頃より結晶の剥落と思われる不規則な重量の減少が起こり,霧中のC1^-,NO^-_3,SO^<2->_4濃度との関係から汚染地区の差を比較することはできなかった。しかし上野公園および鎌倉市内4地点の屋外での大理石テストピース暴露試験による重量減少と同一地点における降雨組成(酸性雨)の総量はそれぞれ地域の特徴を表した。この方法を1年間程度継続すると各地の酸性雨による影響度を簡易に比較することがが可能と考えられる結果が得られ,この研究の成果は大きかった。

報告書

(2件)
  • 1993 実績報告書
  • 1992 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 門倉,武夫: "文化財の保存環境" 環境と測定技術. 19. 34-46 (1991)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 斉藤昌子 共著: "NO_2、SO_2ガスによる天然繊維の劣化21GC02:古文化財の科学" 36. 10-34 (1991)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 門倉武夫(共): "日本環境測定分析協会" 酸性雨の科学と対策, 320 (1994)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 門倉 武夫: "文化財に及ぼす酸性雨の影響評価法の検討" 古文化罪科学研究会大会要旨集. 14. 48- (1992)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書
  • [文献書誌] 門倉 武夫: "文化財の保存環境と汚染因子" 環境と測定技術. 19. 34-48 (1992)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書

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公開日: 1992-04-01   更新日: 2016-04-21  

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