研究課題/領域番号 |
04452256
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築計画・都市計画
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
三村 浩史 京都大学, 工学部, 教授 (50025912)
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研究分担者 |
リム ボン 立命館大学, 産業社会学部, 助教授 (10202409)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1993年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1992年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 事業所 / コミュニティ / 町衆 / 都心商業地域 / 参加 / 住宅 / 企業 / 協調化 |
研究概要 |
都心商業地域のコミュニティの安定化を維持させる上で企業はいかなる役割を担うことができるのか。とりわけ、その中心的存在としての「町衆企業」という概念を提示し、その実態的性格を見い出すことが本稿の主たる課題であった。そして、今回の対象地域とした元成徳学区での分析作業を通じて、「町衆企業」と判定できた事業所の数は全事業所のうちの6%に過ぎなかったことが明らかになった。このことは、地域社会に立地する事業所の全てが地域活動に参加しなくても、コミュニティの安定性を担保することができることを示唆している。「町衆企業」が地域活動の中核たる所以である。いわゆる企業城下町とは異なる業種混在地域においては、常時、5〜10%の「町衆企業」を擁することができるか否かが、コミュニティの安定性を想定するキーポイントになるのではなかろうか。 次に、京都の都心商業地域を分析対象としたことの特殊性について触れなければならない。それは、第一に祇園祭りがあること、第二に町衆の伝統が今も根付いていること、第三に、都心商業地域といえども居住人口が定着していること、が挙げられる。このような特殊性を一般解に変換すると、第一については、地域にとってのシンボルとなるようなイベントや事業を創出することができれば、企業のコミュニティ・アイデンティティを醸成することが可能になることが指摘できる。事実、そのような例としては、川崎市の「カワテツ祭」などの事例がある。第二については、先にも述べたように、「町衆」という存在自体、京都のみならず日本の商業地域には存在してきた。現在でも、大阪や東京などの大都市に、「町衆」的な人物やひいては「町衆企業」的な事業所も存在するものと考えるのが自然であろう。問題はこれらをいかにして発掘するかであるが、この点で、本稿の分析が一定の知見を提示したものと考えられている。
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