研究概要 |
玉川溶結凝灰岩類の断面における割れ目の分布は統計的自己相似性を示し,そのフラクタル次元をボックスカウンティング法を用いて明かにしたところ1.08〜1.48の範囲内にあることが明らかとなり、これは各スケールでのフラクタル性を示し,このフラクタル次元は約1.28であった。任意断面中の割れ目の形状にもフラクタル性が認められ,フラクタル次元は1.01〜1.05の範囲にある。これらの割れ目パターン図における割れ目の分布や形状についてのフラクタル性から,岩石の割れ目の分布のフラクタル次元を異なるスケールでの割れ目パターン図から推定することができることを示している。 天然の岩石断面の割れ目パターンについてボックスカウンティング法を用いてフラクル次元を決め,長さ分布,定方位性,結合性,割れ目の数,総延長の幾何学的特徴を割れ目モデルの構築のために測定した。割れ目は結合性によってクラスターに分割される。最大クラスター中の割れ目の数はフラクタル次元に比例し,また割れ目の結合性,数,総延長はフラクタル次元と関係し,いくつかの特徴は相互に関係している。入力されたフラクタル次元に対応する選択されたパラメータの範囲は,パラメータ間の関係によって決められる。割れ目の形状を決め,最大クラスター,他のクラスター,単一の割れ目の順に発生し,これら入力したフラクタル次元と相互の関係に基づいている。コンピューター上に描かれた二次元の割れ目モデルは岩石断面中の天然割れ目パターンに類似し,入力フラクタル次元と比較して同様のフラクタル特性を示す。入力したデータに一致する割れ目モデルのフラクタル次元はボックスカウンティング解析によって明らかになった。
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