炭素繊維複合材料の高温クリープ挙動

• 研究課題/領域番号: 04452275
• 研究種目: 一般研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 金属材料
• 研究機関: 東北大学
• 研究代表者: 及川 洪 東北大学, 工学部, 教授 (30005243)
• 研究分担者: 佐藤 裕之 東北大学, 工学部, 助手 (10225998)
• 研究期間 (年度): 1992 – 1994
• 研究課題ステータス: 完了 (1994年度)
• 配分額: 6,700千円 (直接経費: 6,700千円); 1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円); 1993年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円); 1992年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
• キーワード: C / C複合材料 / 四点曲げ / クリープ強度 / クリープ / 塑性流動 / 高温強度 / 長時間強度 / Cコンポジット / 曲げ試験 / 高温変形 / 複合材料 / クラリープ / 軽量材料 / 炭素繊維

研究概要

(0°/90°)_2(0°/90°)_2の8層C/C複合材料平板試験材(1.5mm厚)の高温曲げ試験および高温クリープ試験を行い、以下の結果を得た。
1)炭素繊維複合材料(C/C複合材)は、1573Kにおいてクリープ変形することが見出された。その挙動は対数クリープに分類される。
2)第二段階においては傾き(変位の対数時間勾配)が応力依存性を持ち、応力とともにその傾きは大きくなる。
3)1373〜1573Kでの降伏荷重の変位速度依存性は見出されなかった。
4)C/C複合材の破壊は繊維の引張強度に比べて非常に低い応力で起こる。
5)マトリックスの変形(流動)はC/C複合材の降伏強度およびクリープ強度と密接な関係がある。
これらの結果は、きわめて高い強度を持つ繊維を含むC/C複合材料の強度特性は、繊維だけでなくマトリックスの変形に大きく影響されることを示しており、特に高温長時間強度を改善するためにマトリックスの流動を抑制することが必要であることを強く示唆する。
また、繊維の強度が低下すると考えられる温度よりも、はるかに低い温度で塑性変形することが実験的に示された。
C/C複合材の長時間強度特性は、金属系構造材料と同様に、短時間強度特性から予測することは困難であると考えられる。C/C複合材料の高温変形にに関する情報は不足しており、C/C複合材の高温長時間強度改善の方法を模索するためには、さらに温度・変形条件による変形挙動・変形特性の変化に関する系統的な実験が行われる必要がある。