配分額 *注記 |
7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
1994年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1992年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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研究概要 |
本研究においては,有明海沿岸の干潟の発達に関わりの深い粘土粒子の沈降・凝集特性,スラリー状粘土の自重圧密特性の解明および粘土の圧密,斜面崩壊に関わりの深い問題点についての検討を行った. 有明粘土粒子は塩濃度が0.1g/l以上であれば凝集を起こす.凝集開始時におけるゼータ電位は-20mVであり,この値はYongの凝集開始ゼータ電位と一致している.海水中において有明粘土粒子の含水比が5000%以上であれば凝集性自由沈降が生じ,5000〜1000%においては界面沈降が,1000%以下であれば圧密沈降が生じる.界面沈降速度は含水比が高いほど大きいが,同一含水比であってもフロックの大きい試料ほど大である.粘土の自重圧密については遠心力を利用した圧密実験,透明シリンダーを利用した圧密実験を行い,有明粘土の自重圧密特性を明らかにしている.また,透明シリンダーを利用した層厚の異なるいくつかの自重圧密実験によって,スラリー状粘土の圧密特性を決定する方法も提案している. 粘土の圧密に関する研究においては,有明粘土の圧縮特性を明らかにしているが,二次圧密は圧密度90%付近からはじまり,時間の対数に比例する二次圧密開始圧密度は98%以上であることを確認した. 粘土の強度に関しては,強度・変形解析に必要なパラメーターについてとりまとめ,弾塑性有限要素法を用いて正規圧密粘土地盤の部分排水条件下の支持力解析を行った. 有明粘土の化学的性質に関しては,粘土中のパイライトが酸化することによって硫酸と酸化鉄が生成され,その結果pHが4以下に低下すること,および生成されたこの低pH土は亜鉛などを溶解し公害問題にかかわる恐れのあることを指摘している.
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