研究概要 |
1.それぞれの実施項目について (1)山岳について: 新緑・紅葉・落葉などの季節感ある山岳景観の表現手法について基本的なアイデアを固め,プロトタイプ版のアルゴリズムによりその有効性を確認した。 (2)樹木について: 受光量不足による枝の枯死,向日性,屈地性,頂芽優勢,休眠芽の休眼打破,および枝の幹化を架空の植物ホルモンの存在を仮定することにより統一的に実現するモデルを与えた。また,緩やかに拘束しあう粒子に基づく,風による樹木の揺らぎのシミュレーション法を開発した。 (3)釉薬の貫入について: 既開発の平面上で動作する貫入(ひび割れ)のモデルを改良するとともに,3次元曲面上で動作できるように拡張した。 (4)炎・煙について: 既開発の2次元の炎や煙のシミュレーション手法を,延焼の表現が可能なものへと拡張した。さらに,消火した炎粒子が煙粒子に変化できるようにモデルを拡張した。 (5)水流について: 既開発の2次元のシミュレーション法を3次元のものへと拡張し,そのシミュレーション結果からリアルな水流のCG画像を生成するためのアルゴリズムを開発した。 (6)その他: 上記以外に,竹林の表現,樹木のレベルでの紅葉の表現,および樹皮の生成法に関する基礎的検討を行なった。 2.成果の公表について 樹木と山岳について情報処理学会の研究会などで講演した。また,樹木については外国雑誌と国際会議で発表予定あり,樹木と炎・煙については電子情報通信学会論文誌に投稿している。さらに,樹木の生長モデルと炎・煙のシミュレーション法のデモンストレーション用ビデオアニメーション作品を国際コンテストに出品している。今後も,スライド作品を含め国際会議SIGGRAPHなどのコンテストへの応募を行なう予定である。
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