研究課題/領域番号 |
04452316
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
計算機科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
益田 隆司 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (80114130)
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研究分担者 |
加藤 和彦 筑波大学, 電子情報工学系, 講師 (90224493)
猪原 茂和 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (30251391)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1993年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 64ビットプロセッサ / 分散オペレーティングシステム / 分散共有メモリ / 仮想記憶管理 / バ-ジョン管理 / 共有仮想空間 / メモリーオブジェクト / 共有データ構造 / バージョン管理 |
研究概要 |
本研究は、高度な拡張性と柔軟性を持つ協調的な分散システムを構築するための技術を見いだすことを目的として、(1)プロセス間での緊密な情報交換を効率化する仮想記憶管理機構、(2)プロセス間の独立性を保ちつつ協調処理を行うための通信機構、(3)プロセスの変更を動的に(システムの動作中に)行なう機構の設計と実現を行なってきた。(1)では、前年度に考察した「共有仮想空間」方式の仮想空間管理および二次記憶管理をさらに発展させて、協調するプロセス群が主記憶上、二次記憶上の任意のデータを共有することが可能な「バ-ジョン化単一仮想空間」方式を設計し、実装を行なった。バ-ジョン化単一仮想空間方式では、ポインタや階層的、再帰的な型構造を持つデータを、主記憶上、二次記憶上の区別なく扱うために、システム内のすべてのデータを64ビット空間上の「メモリオブジェクト」として操作し、その上で協調するプロセス群はメモリオブジェクトをバ-ジョン化して共有することとした。この提案は情報処理学会のOS研究会及び全国大会で発表し、さらにIEEE主催の国際会議ICDCS(Int'l Conf.on Distributed Comput.Syst.)に投稿中である。実現はDEC-station上のユーザレベルサーバ群として行ない、各機能の動作を確認するとともに、基本機能の性能測定を行ない、従来のシステムと同等以上の性能を持つことを確認した。(2)および(3)は、OSレベルのイベントを監視して特定のイベントによって特定の処理を起動する「トリガー機構」を用いて実現した。トリガー機構は、OSのファイルシステム、プロセス管理機構、仮想記憶管理機構の動作を監視し、ユーザーの指定した条件が満たされた時点で特定のプロセスへメッセージをおくることによって実現した。これもDECstation 上のユーザレベルサーバとして実装し、動作を確認した。
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