研究課題/領域番号 |
04452324
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
原子力学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉井 康司 東京大学, 工学部, 助手 (00210641)
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研究分担者 |
田川 精一 東京大学, 原子力研究総合センター, 助教授 (80011203)
上坂 充 東京大学, 工学部, 助教授 (30232739)
小林 久夫 立教大学, 原子力研究所, 教授 (10062605)
宮 健三 東京大学, 工学部, 教授 (30011191)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1992年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 高速中性子ラジオグラフィ / 高速中性子テレビジョン / 高感度テレビカメラ / 蛍光コンバーター / 高速中性子源炉 / 光電子増倍管 |
研究概要 |
1.研究目的 我々は東京大学高速中性子源炉「弥生」を利用して高速中性子ラジオグラフィの研究を進めている。その結果、鉄および鉛等の重金属内の軽元素の検出、天然ウラン、濃縮ウラン燃料の非破壊検査に対し、固体飛跡検出器CR39を用いた撮影方法でその有効性を確認した。しかし、この撮影方法は、照射、エッチング、転写等に時間がかかり、画像を得るのに約1日必要である。そこで、撮影時間の短縮および実時間撮影を目的に、世界的にもまだ研究されていない高速中性子を高感度に光信号に変換する蛍光コンバーターを開発し、高速中性子テレビジョン法の撮影技術を構築することを目的とした。 2.研究方法 高速中性子が光信号に変換するモデルとして、高速中性子がコンバーター内の水素と衝突し、反跳陽子が放出され、そのエネルギーが蛍光体に与えられ発光すると考えた。そこで、数種類の含水素物質と蛍光体との組合わせによるコンバーターの試作を行ない感度測定を行なった。そして、蛍光体の含有量及びコンバーターの厚さをパラメーターとして試作し、最適なコンバーターを求めた。コンバーターの発光量はX線フイルムと蛍光コンバーターを密着させ高速中性子照射を行ない、フイルムの黒化度より推定する方法と、蛍光コンバーターと光電子増倍管を密着して照射を行ない、光電子増倍管の陽極電流を測定する方法により求めた。その後、最適のコンバーターと高感度テレビカメラを用い高速中性子テレビジョンの撮影を試みた。 3.研究結果 含水素物質としては、ポリエチレン、シリコンゴム、ポリメチルペンテン、PMMA、CR39樹脂及びポリプロピレンを選択し、蛍光体ZnS(Ag)と混合してコンバーターを試作した。その結果、ポリプロピレン樹脂のコンバーターが一番感度があることがわかった。厚さ1.3mm、ZnS(Ag)含有量50w/oのコンバーターの発光子数は3.4x10^2photons per fast neutronと求まった。また、ZnS(Ag)含有量をパラメーターとした感度測定の結果、約50w/oにおいて感度が高いこと、コンバーターの厚さをパラメーターとした結果では、コンバーターの厚さが2mmを越えると飽和する傾向になることがわかった。なお、発光モデルより解析的にコンバーターの最適値を求めた結果、よく実験結果と一致した。そして、最適の蛍光コンバーターと高感度テレビカメラの組合わせにて、高速中性子テレビ撮影を行なった所、高速中性子束1.8x10^7n-cm^<-2>-s^<-1>の場において、約600枚の画像積算を行なうことにより、高速中性子テレビジョン画像の取得に成功した。
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