研究課題/領域番号 |
04452331
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分子遺伝学・分子生理学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
木下 一彦 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (30124366)
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研究分担者 |
鈴木 直哉 名古屋大学, 理学部, 助手 (50222063)
宮田 英威 慶應義塾大学, 理工学部, 専任講師 (90229865)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
8,200千円 (直接経費: 8,200千円)
1993年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1992年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
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キーワード | ミオシン / アクチン / プラスチックビーズ / 蛋白質構造変化 / 蛍光偏光イメージング / 硬直結合 / 破断力 / 分子の個性 / 光ピンセット / 分子モーター / 生体エネルギー変換 / 分子操作 / ナノメートル計測 / 蛍光顕微鏡 / ナノメートル / ピコニュートン解析 / 光学顕微鏡 |
研究概要 |
本研究の目的は、アクチン・ミオシンからなる分子モーターがどのような仕組みで動く(かつ力を出す)のかを探ることである。このため、ガラス面上に載せたミオシン分子の上をアクチン線維が走る、いわゆるin vitro motility assay系を用いて、以下の研究を行った。 1.アクチン線維の後端にプラスチックビーズを結合させ、このビーズを光ピンセットで捉えることにより、ミオシン1分子がATP1分子を分解するときアクチンをどれだけ動かすか、すなわち分子モーターのユニットステップ、を捉えることに成功した。ステップ幅は広い分布を示し、分布のピークは約8nmであった。もしこのステップがミオシン分子の構造変化によって引き起こされるものなら、ビーズという巨大なプローブをアクチンの紐を介してミオシンに結合させることにより、ミオシン1分子に起きる構造変化を実時間で捉えたことになる。 2.アクチンに蛍光色素を結合させ、その蛍光の偏光方向を測ることにより、アクチン線維内のアクチンモノマーの配向を知ることができることを示した。最終的には、蛍光色素1分子の偏光方向の実時間測定に成功し、ミオシン上を滑走するアクチン線維が線維軸回りに回転することを示した。 3.ATPが無いとミオシンとアクチンはしっかりと結合する(硬直結合)。アクチンにつけたビーズを光ピンセットで引っ張ることにより、1分子のミオシンとアクチンとの間の硬直結合を切るのに必要な力を見積もることができた。10pN程度の力を加えると平均約1秒で結合が切れ、力が大きいほど結合が切れるまでの時間も短い。破断力はアクチンを引っ張る方向によらず、ミオシン分子は非常に柔軟であることが示唆された。1つのミオシン分子の破断力を繰り返し測定したところ、ミオシン分子は見かけ上個性的に振る舞い、あるものは常に大きな破断力を要し、他のものは小さな力で結合が切れた。
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