研究課題/領域番号 |
04453027
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機化学一般
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
伊與田 正彦 (伊興田 正彦) 東京都立大学, 理学部, 教授 (50115995)
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研究分担者 |
佐々木 茂 東京都立大学, 理学部, 助手 (90254143)
吉田 正人 東京都立大学, 理学部, 助手 (50137030)
松山 春男 東京都立大学, 理学部, 助教授 (30087118)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
1993年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1992年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
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キーワード | 伝導性 / 強磁性相互作用 / ドナー / テトラチアフルバレン / フェロセン / パラジウム触媒 / クロスカップリング / ラジカル塩 / 半導体 / [3]ラジアレン / アフセプター / ジアニオン / CT錯体 |
研究概要 |
伝導性および強磁性という相反する2つの性質をあわせ持つ可能性のある化合物を合成する目的で、ベンゼン環の1,3位および1,3,5位にドナーを導入した共役系を合成し、そのジカチオンジラジカルおよびトリカチオントリラジカルを調製して、伝導性および強磁性的相互作用を調べた。ドナーとしてテトラチアフルバレンを導入した系の合成は、テトラチアフルバレンの有機スズ誘導体とハロベンゼンのパラジウム触媒クロスカップリングを用いて効果的に行った。この系のジカチオンジラジカル塩およびトリカチオントリラジカル塩は、半導体程度の伝導性を示したが、強磁性相互作用に関してはほとんど認められなかった。ドナーとしてフェロセンを用いた系の合成は、フェロセンの有機亜鉛誘導体とハロベンゼンのパラジウムまたはニッケル触媒クロスカップリングによって行った。この反応は一段階で比較的収率よく生成物を与えた。フェロセンを置換基として持った芳香族化合物のジカチオンジラジカル塩およびトリカチオントリラジカル塩の調整は、ドナー化合物とアクセプターを1対2または1対3の比で混合することによって行った。得られたラジカル塩はフェロセンの鉄-鉄間の強磁性相互作用を示したが、伝導度測定の結果はこれらが絶縁体であることを示した。以上の結果は伝導性および強磁性をあわせ持つ系に予想される性質とは異なるが、興味深い性質の変化である。そこで、現在さらに分子設計を進め、オレフィンの1位にドナーを導入した系を合成してその性質を調べている。
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