研究課題/領域番号 |
04453030
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
天然物有機化学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中村 英士 北海道大学, 理学部, 助教授 (90217878)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1992年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | 共生藻 / ゾーザンテラ / ゾーザンテラトキシン / 構造決定 / 62員環ラクトン / アプリシアトキシン / スピロアセタール / ゴニオラックス / ゴニオール |
研究概要 |
ヒラ虫に共生する渦鞭毛藻Symbiodiniumsp.を大量培養し、血管収縮作用を指標として分離精製を進めた結果、2種の活性成分Zooxanthellatoxin-A(ZT-A)およびZT-Bを単離した。これらの化合物はパリトキシンのように水溶性が高く、また分子量も2900あまりと類似していた。収量は、477gの培養藻体あたり124mgと比較的良好であった。ZT-Aは酸ならびにアルカリに対して不安定で、また分子が大きいため複雑なNMRスペクトルを与えることから、まず化学的性質のアウトラインを得るために種々の化学反応を行い、ビスエポキシド、硫酸エステル、共役ジエンなどの特徴的な構造単位を含む概ね80%に相当する部分構造を得ることが出来た。また、窒素原子の存在が元素分析ならびにNMRから示唆され、アルカリ分解にてアミノ基が遊離し、Cl'以降のカルボン酸ユニットが取れてくることからアミド結合の存在が明らかになった。一方、穏和な条件にてアルカリ分解すると極性の高い物質に変換し、その際分子量が18増加することから、分子内エステル結合が示唆され、NMRスペクトルから62員環ラクトン構造が推定された。過ヨウ素酸ナトリウムにて注意深く分解すると、末端がカルボン酸であるアルコール体が得られ、FABMSのデータから得られたZT-Aの分子式より、残りの部分構造が連続したオキシメチンであることが明らかになった。^<13>CNMRの化学シフトならびに化合物の安定性から6員環ヘミアセタール構造とし、ZT-Aの構造が62員環ラクトンを含む特異な構造であることが明らかになった。 また、アプリシアトキシンが発ガンプロモーター活性を発現する際に必須な構造因子を明らかにするために、モデル化合物を設計し、その合成を完了した。生物活性については現在検討中である。
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