研究課題/領域番号 |
04453037
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分析・地球化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
木原 壯林 京都大学, 化学研究所, 助教授 (60161543)
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研究分担者 |
宗林 由樹 京都大学, 化学研究所, 助手 (50197000)
松井 正和 京都大学, 化学研究所, 教授 (90027037)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1993年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1992年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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キーワード | 酸化性環境 / 二酸化炭素 / アンモニア / 水溶液 / 紫外線照射 / 核酸塩基 / アミノ酸 / マグネシウムイオン / 酸化的雰囲気 / 炭酸ガス / 光合成 / 合成条件 / 共存塩 |
研究概要 |
生命の起源の研究目的の一つは、原始生命誕生時の地球環境の推定にある。本研究においては、炭酸アンモニウム水溶液あるいは二酸化炭素とアンモニアを吸収させた水溶液に80℃以上で280nmより短波長の紫外線を照射すれば、アミノ酸および核酸塩基がかなり多量に生成することを見いだした。これは、炭素化合物としてCH_4を含むような還元的大気環境下だけでなく、CO_2を含むような酸化的大気環境下であっても生命起源物質の無機的合成が可能であることを示す。また、この水溶液内での合成反応がMg^<2+>の共存によって著しく促進されることも分かったが、これは、無機塩を含む水溶液である海洋での生命の誕生を暗示する。一方、上記の照射済み溶液の分析の結果、高濃度のシュウ酸アンモニウムおよびオキサミン酸が検出され、これらが反応中間体であると推定された。さらに、光照射温度、照射波長、反応物の濃度などの合成条件と生成量の関係および反応中間体やMg^<2+>の添加効果などについての詳細な研究を進め、アミノ酸、核酸塩基の生成反応機構を次のように解明した。(1)炭酸アンモニウム水溶液あるいは二酸化炭素とアンモニアを吸収させた水溶液は炭酸水素アンモニウムを含むが、この水溶液に紫外線を照射するとシュウ酸アンモニウムを生じる。(2)シュウ酸アンモニウムは熱分解によってオキサミン酸となるが、オキサミン酸はMg^<2+>と強く錯形成するため、Mg^<2+>共存下では同熱分解反応が促進されるとともに、生成したオキサミン酸のさらなる分解が抑制される。従って、Mg^<2+>共存下ではオキサミン酸が高濃度に蓄積する。(3)オキサミン酸は280nmより短波長の紫外線を吸収してアミノ酸および核酸塩基となる。(4)中間生成物のシュウ酸からは、糖類似物が生成する。
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