研究課題/領域番号 |
04453043
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機・錯塩・放射化学
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研究機関 | 北里大学 (1994) 東京大学 (1992-1993) |
研究代表者 |
宮本 健 北里大学, 理学部, 教授 (30011604)
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研究分担者 |
市田 光 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (10176290)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1994年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1993年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1992年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 白金化合物 / 水溶性錯体 / ホスフィン / アルシン / スチビン / ヒドロキソ錯体 / シスプラチン / 生体分子 / 溶液平衡 / 15族ドナー / 核酸 |
研究概要 |
本研究では、PMe_3,AsMe_3,SbMe_3等の15族ドナーを配位子に持つ新規水溶性白金(II)化合物を創製し、周期の異なる15族ドナーが与える白金(II)化合物の性質の変化を明らかにした。研究の初期で意図したようにX線解析法による構造決定とNMR法との組み合わせは、溶存種の同定、それらの化学種間の平衡、化学反応の把握に有効で、錯体合成の新方法論を樹立することができた。特にジヒドロキソ体の単離、その水溶性錯体の合成原料としての有用性、μ-ヒドロキソ二量体およびアコ錯体との平衡関等、いずれのドナー系についても確立できた。 同時に幾つかの問題点もあきらかになった。結晶になりやすいものは、極めて明快に溶存種を推定できたが、糖、蛋白、核酸類との白金化合物は一般に結晶性が悪く、溶液中での挙動が曖昧にしか理解できなかった。従って、生体分子との相互作用を系統的に解析するためには、単結晶作成技術の確立、NMRスペクトル解析用の同位体標識法や多次元法の使用が、さらに要求される。 これらの残された諸問題を解決するためには、生体関連分子との反応例を増やして、少なくとも溶液論としての溶存状態の決定や固体構造との相関関係を確立しなければならない。幸いなことに、白金錯体の溶液論は多種類のNMR核種の使用によって、かなりの情報量を得ることが可能となっている。今後本研究で得られた成果を土台として、白金錯体に対象を絞り、固体-溶存構造の相互関係を広範に検討、整理し、その生理機能(抗腫瘍性、毒性、生体内輸送、代謝)の基礎論を確立すべく努力する予定である。
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