研究課題/領域番号 |
04453070
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機工業化学・無機材料工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
横尾 俊信 京都大学, 科学研究所, 助教授 (90158353)
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研究分担者 |
幸塚 広光 京都大学, 科学研究所, 助手 (80178219)
宮路 史明 京都大学, 化学研究所, 助手 (80219782)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1992年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | X線動径分布解析 / ノンコンベンショナルガラス / グラス化範囲 / ペアファンクション法 / 局所構造 / 配位状態 / 結合距離 / 非線形光学材料 / ガリウムチタン酸塩ガラス / ガラス化範囲 / ビスマス / 鉛 / バナジウムリン酸塩ガラス / ガラス融体 / ガラス構造 / ペルチェ型X線固体検出器 |
研究概要 |
近年、単独ではガラス化しないが、多成分系とすることによってガラス化する“nonconventional glass"が注目されている。これらのガラスは、通常よく知られているケイ酸塩、ホウ酸塩等のガラスとは異なる性質を示すのではないかと期待されている。本研究では、“nonconventional glass"として特にガレートガラスに注目した。まず、X線動径分布解析により40Na_2O・20Ga_2O_3・40TiO_2ガラスの構造を調べた。ペアファンクション法により第一ピークを解析した結果、Ti^<4+>およびGa^<3+>の単位構造は共に4配位四面体であることが明らかとなった。以前、我々はGa_2O_3を含まないNa_2O・2TiO_2ガラスではT^<4+>はTiO_4四面体およびTiO_6八面体の両方の配位状態をとることを見いだしているが、このことが両者のガラスのガラス化傾向の違いを明瞭に説明することができる。すなわち、後者のガラスではTiO_4四面体が不安定であり、TiO_6八面体が安定に存在するため、ガラス化範囲が非常に狭く、ガラス化し難いものと判断された。このことはTi-O距離からも明らかである。すなわち、40Na_2O・20Ga_2O_3・40TiO_2ガラスではTi-OおよびGa-O距離は共に1.86Aであったが、Na_2O・2TiO_2ガラスでのTi-O平均距離は1.99Aと非常に長い。 X線および中性子線動径分布解析を併用して50PbO・50GaO_<1.5>および80BiO_<1.5>・20GaO_<1.5>ガラスの構造を詳細に調べた。その結果、いずれのガラスでもGa^<3+>の単位構造は4配位四面体であることが明らかとなった。50PbO・50GaO_<1.5>ガラス中のPb^<2+>はPbSiO_3アラモサイト結晶におけるようにPbO_3三方錐あるいはPbO_4正方錐から成るチェーンを形成していることが示唆された。一方、ガラス中のBi^<3+>はBiO_5またはBiO_6の配位状態をとることが明らかとなった。従って、ビスマスを含むガラスは(BiO_5,BiO_6)_n層と(GaO_3)_nチェーンから構成されていると考えられた。 その他V^<4+>分率の異なるV_2O_5-P_2O_5ガラスの構造をX線動径分布解析により調べた。V^<5+>はVO_5三方両錐のみならずVO_4四面体の配位状態でも存在することが明らかとなった。 以上のように本研究で導入したX線用固体検出器(SSD)を用いることにより短時間で高精度の測定が可能となり、複雑なガラスの構造も比較的容易に解析することが可能となった。
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