研究課題/領域番号 |
04453087
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機工業化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
園田 昇 大阪大学, 工学部, 教授 (20083983)
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研究分担者 |
小川 昭弥 大阪大学, 工学部, 助手 (30183031)
柳 日馨 大阪大学, 工学部, 助手 (80210821)
神戸 宣明 大阪大学, 工学部, 助教授 (60144432)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
1993年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1992年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | フリーラジカル / カルボニル化 / 一酸化炭素 / スズラジカル / シリルラジカル / ホルミル化 / 環化 / アシルラジカル / ラジカルカルボニル化 / 有機ハロゲン化物 / アルデヒド / 非対称ケトン / ミクロペンタノン / スズヒドリド / シクロペンタノン |
研究概要 |
本研究では、ラジカル反応条件下での新しいカルボニル化法の開発を目的としたが、当該年度において顕著な研究実績を達成することが出来た。以下にその概要をまとめる。 一酸化炭素のラジカル反応に基づいた有機ハロゲン化物のホルミル化反応を新規に開発した。すなわち、有機ハロゲン化物の増炭したアルデヒドへの変換を、スズヒドリドまたはシリルヒドリドを水素源として、一酸化炭素のラジカル反応により達成した。従来型の遷移金属触媒反応によるホルミル化法は、芳香族ハロゲン化物のホルミル化を得意とするものの、反応性の低い脂肪族ハロゲン化物のホルミル化を課題として残していた。しかし、本反応系の実現により、ラジカル反応の利用という異なったコンセプトからのアプローチにより問題の解決に到った。また、種々の官能基が共存した有機ハロゲン化物を用いての反応ではこれら官能基を損なうことなくホルミル化が可能であることを確かめた。 一酸化炭素のラジカル反応に基づいたケトンの合成法を新規に開発した。有機ハロゲン化物と一酸化炭素、スズヒドリドとのラジカル反応系に、オレフィンを共存させたところ、三炭素成分の連結反応が効率良く生起し、非対称ケトンが良好な収率で得られることを明らかとした。この新しいケトン合成法をジヒドロジャスモンやムスコン等の天然香料の合成に応用した。 一酸化炭素のラジカル反応に基づいた五員環環状ケトンの合成法を新規に開発した。すなわち分子内に二重結合を有するアルケニルハライドを用い,一酸化炭素、スズヒドリドとの反応系で、カルボニル化とそれにつづく環化反応を見いだした。 以上のように、本研究においては、一酸化炭素のラジカル反応が、既成概念とはことなり、合成化学的に有効なカルボニル化の基本原理となり得ることを示すことが出来た。
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