研究課題/領域番号 |
04453089
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機工業化学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
田丸 良直 長崎大学, 工学部, 教授 (80026319)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1994年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1992年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | パラジウム触媒 / 非対称ケトン合成 / 有機亜鉛 / 極性変換 / アリル亜鉛の立体化学 / 一酸化炭素 / カルボニル化 / 三成分連結反応 / pi-アリルパラジウム / 有機亜鉛代合物 / パラジウム / シクロプロパン / 転位反応 |
研究概要 |
有機亜鉛化合物の特異的な求核種としての性質を利用して以下に要約する2種類の極めて特徴的で有用な反応を開発した。 (1)0価パラジウムを触媒として用いる有機亜鉛、一酸化炭素、安息香酸アリルの三成分連結反応による非対称ケトンの選択的合成:ケトンは有機合成において中心的な役割を果たす重要な化合物である。一酸化炭素をケトンのカルボニル成分として利用することは経済的に望ましい。従って、今までに一酸化炭素を利用する、遷移金属触媒による多くの非対称ケトン合成法が報告されている。しかし、それっらの殆どが高温、高圧の厳しい反応条件を必要としている。われわれの開発した方法は、遷移金属触媒を触媒とし用いる、常圧の一酸化炭素をカルボニル成分として利用する一段落非対称ケトン合成法としては、極めて少数の例のうち、反応条件の穏和なこと(常温、常圧)、適用範囲が広いことなどの点で、利用価値の極めて高いものである。本反応は立体選択的に進み、アリル化試剤の立体構造は反転する。また、他のカルボニル化においては報告例の無い、極めて特徴的な位置選択生を示した。 (2)上記反応の機構的考察の帰結として、反応条件しだいで、π-アリルパラジウム中間体の極性変換が起こり、親電子的な反応性から求核的な反応性へと変換を受けることを明らかにした。この極性変換反応は機構的に全く新しい形式によるものである。この反応は合成化学的にも極めて有用で、各種、カルボニル化合物のアリル化生成物を高収率で与える。官能基選択性は極めて高く、アルデヒド>ケトン>>エステルの反応性をしめした。またこの極性変換により立体選択的にアリル亜鉛が調製でき(原料アリル化試剤の立体化学の反転)、またアルデヒドと立体選択的に反応することを明らかにした。この反応の反応機構の詳細を鋭意検討中である。18FA01:一酸化炭素位置
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