研究課題/領域番号 |
04453100
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
野村 正勝 大阪大学, 工学部, 教授 (10029184)
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研究分担者 |
村田 聡 大阪大学, 工学部, 助手 (70219921)
三浦 雅博 大阪大学, 工学部, 講師 (20183626)
三宅 幹夫 大阪大学, 工学部, 助教授 (80112019)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1992年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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キーワード | 芳香族化合物 / 置換基導入 / 芳香族ハロゲン化物 / 末端アルキン / 活性メチレン化合物 / ニトロン / カップリング / 銅触媒 / 遷移金属触媒 / カルボニル化 |
研究概要 |
交付申請書に記した計画に従って、始めに出発原料として代表的な芳香族ハロゲン化物ならびにハロゲン化ビニルを選定、合成した。いくつかの芳香族ヨウ化物の調製には本研究中に開発した新しい簡便な方法用いた。1.芳香族化合物への効果的な置換基導入法の一つとして、まず芳香族ハロゲン化物と末端アルキンとのカップリング反応をとりあげ、様々な第一周期遷移金属触媒を用いて検討を行った。その結果、触媒としてヨウ化銅-トリフェニルホスフィン1:2錯体が高い触媒活性を示し、対応するカップリング生成物を高収率で与えることを見い出した。種々スペクトル分析による反応メカニズムの検討から、系中で発生する銅アセチリド-ホスフィン錯体が活性種であり、これがハロゲン化物を攻撃することにより生成物を与えると結論された。2.この反応を一酸化炭素下で行うことによりクロスカルボニル化が起こり、アリールアルキニルケトンを得ることも可能であることがわかった。3.アルキン以外の不飽和化合物として、単純なアルケンは用いることができなかったが、活性メチレン化合物から発生させたエノラートアニオンと芳香族ヨウ化物が効率よく反応し、対応するカップリング生成物を好収率で与えることを見い出した。この反応でも銅触媒が優れた活性を示した。この新規触媒反応の応用として、非ステロイド系抗炎症性医薬として知られる2-アリールプロピオン酸の合成を行い、本反応の有用性を示した。4.第1項の反応中間体に関する知見を基に、ハロゲン化物の代わりに芳香族置換ニトロンを用いて反応を行ったところ、ピラゾール等の複素環化合物の合成に有用な1-アザ-1-ブテン-3-イン誘導体が好収率で生成することを見い出した。以上のように2年間にわたる本研究の推進により、芳香族化合物の高度有効利用に資するいくつかの新規反応の開発に成功した。
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