研究課題/領域番号 |
04453108
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子物性・高分子材料
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
岡野 光夫 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (00130237)
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研究分担者 |
菊池 明彦 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40266820)
鈴木 憲 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (90216375)
山田 則子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (50107314)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
1994年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1993年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1992年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | ポリイソプロピルアクリルアミド / 温度応答性表面 / 細胞脱着制御 / 細胞はく離機構 / 高分子グラフト表面 / インテリジェントマテリアル / 界面応答性材料 / ポリイソプロピルアクリルアミド(PIPAAm) / 表面グラフト / 肝細胞 / 内皮細胞 / 細胞脱着 / 細胞回収 / 親水-疎水性の表面変化 |
研究概要 |
温度に応答して新水性と疎水性を大きく変化させるポリイソプロピルアクリルアミド(PIPAAm)グラフト化表面は37°Cで細胞を接着させ、温度低下によって細胞を脱着させる興味ある特性のあることを見いだした。このような表面を用いると、細胞を37°Cで培養し、細胞を増殖させた後に温度低下によって細胞を脱着させ回収することができた。この場合、細胞と培養皿との結合界面に水が侵入、細胞と材料表面との結合点が水と置換し細胞が脱着するために細胞の表面はほとんど構造的に変化せず、機能も保持させることができる。通常、トリプシンで処理して回収した細胞は表面タンパク質の破壊と機能低下を引き起こす。この点で温度応答性培養皿は培養細胞の新しい回収手法としてきわめて有効であり、従来トリプシン処理で回収されていた細胞と同時にトリプシンによって機能低下が大きく維代培養が不可能であった細胞への適用にも期待の持てる新しい細胞回収法であることが示された。事実、肝細胞のアルブミン産生能を調べると、トリプシン処理によって機能は大きく低下するのに対し、温度応答性培養皿による温度低下による細胞の脱着による回収では、回収操作による機能低下はほとんどないことが明らかにされた。さらに内皮細胞をコンフルエントに培養した後に、このシートを壊すことなく温度低下によってはく離回収できる方法にも利用することができた。このことは培養細胞の2次元マニピュレーションを可能にする新しいテクノロジーであることが示されたことであり、細胞工学の重要な基礎・基盤となると考えられた。 以上のように材料表面に温度で親水性と疎水性を大きく変化させる機能を導入し、これを細胞の接着および脱着の抑制に応用するという新しい概念が示されたのと同時に、その細胞回収の新手法としての有効性が明らかにされた。
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