研究課題/領域番号 |
04453140
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林産学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
富田 文一郎 筑波大学, 農林工学系, 教授 (40012075)
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研究分担者 |
秦野 恭典 森林総合研究所, 木材化工部, 主任研究官
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
1993年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1992年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
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キーワード | フェノール・ユリア共縮合 / レゾール型共縮合樹脂 / 硬化物性 / C-13 NMR / 化学構造 / 接着特性 / C-B NMR / adhesive peoperty |
研究概要 |
フェノールとユリアをホルムアルデヒドで共縮合させる新しい合成法を検討した。この方法は、ユリアと過剰量のホルムアルデヒドより得られるUF-コンセントレイトと呼ばれる一種のユリア樹脂を原料とし、これにフェノールを加え酸性下で反応させる方法であるが、共縮合率の高い樹脂が得られることが判明した。また、UF-コンセントレイトは、一般に、強酸性下で合成されるが、この段階でユリア自身の自己縮合が生じることが、GPCとCNMRの分析により確認された。一方、UF-コンセントレイトを塩基性下で合成すると、この自己縮合を抑制することができ、さらに、これを原料とするフェノールとの反応で共縮合率の高い樹脂を合成できることが確認された。酸性下で合成されたこれらの共縮合樹脂は、縮合率が高くなると水溶性が悪化する傾向があるが、塩基性にせしめ熱処理すると水溶性フェノール樹脂と同様のレゾール型の安定した水溶性樹脂となることが見出された。この樹脂の分子量分布と化学構造を分析し、共縮合率が高く安定性に優れる合成条件を検討した。 実用特性を検討するため、これらのレゾール型共縮合樹脂の硬化過程と硬化後の物性をTBA法を用いて測定したところ、市販の水溶性フェノール樹脂と類似の硬化挙動を示すと同時に、硬化後の熱安定性も同様に優れていることが確認された。一方、市販のフェノール樹脂とユリア樹脂を機械的にブレンドした樹脂は、ユリア樹脂と同様な硬化挙動を示し、硬化後の熱安定性もユリア樹脂と同様に低かった。これらのことより、化学的に共縮合することの効果が確認された。さらに、これらのレゾール型共縮合樹脂の接着性能を評価したところ、繰返し煮沸試験ならびに72時間連続煮沸試験においてJASならびにJISの規格値を超える性能を有し、JASの構造用合板特類の接着剤として適合することが判明した。
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