研究課題/領域番号 |
04453149
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
海老塚 豊 東京大学, 薬学部, 助教授 (90107384)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1993年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1992年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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キーワード | 薬用植物 / 培養細胞 / ストレス / エリシター / クズ / マオウ / イソフラボノイド / リグニン / イソフラボン配糖体 / アシルアミノ酸 / ファイトアレキシン / イーストエキス / マンナン糖タンパク |
研究概要 |
1.クズ培養系におけるイソフラボノイド系ストレス化合物生合成に関わる諸酵素のうち、カルコン合成酵素、カルコン還元酵素につきcDNA,genomeDNAをクローニングし、全塩基配列を明らかにした。genomeDNAのプロモーター領域の解析から、すでにインゲンマメで明らかにされているエリシター応答配列の存在が確認され、実際にこの領域をβ-glucuronidaseをレポーター遺伝子として組み込んだプラスミドにより形質転換したタバコ植物において、エリシターに応答して発現することを確認した。 2.クズ培養系におけるイーストエキスやダイズ疫病菌エリシターに対する応答が2相性であることを見出だした。このうち、生合成遺伝子の転写活性化以前に速やかに起こるイソフラボンマロニル配糖体の不溶化は、イソフラボンアグリコンが細胞壁のリグノセルロースとエリシター処理により急速に発生した過酸化水素により酸化的に結合する細胞壁修飾反応であることを明らかにした。また酵素化学的検討から、この応答反応には常に高発現しているマロニルエステラーゼ、グルコシダーゼ、パーオキシダーゼが関与することを明らかにし、常在性イソフラボン配糖体がリグニン化することで植物における感染初期の防御機構に機能することを初めて実験的に証明した。 3.マオウ Ephedra distachya 培養系を用い、イーストエキス中のエリシター活性分子を分離精製し、化学的・酵素的部分加水分解などの結果から、最小活性単位がマンナン糖タンパクであることを明らかにした。また、イーストエキス中の遊離のD-Alaは、誘導されるN-coumaroyl-D-Alaの基質となるだけでなくそれ自身エリシター活性を有することも明らかにした。また、N-coumaroyl-D-Ala 生合成の最終ステップに、これまで報告のないD-アミノ酸特異的クマロイル転移酵素が関与していることを明らかにした。
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