研究課題/領域番号 |
04453162
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線生物学
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研究機関 | 高エネルギー物理学研究所 |
研究代表者 |
小林 克己 高エネルギー物理学研究所, 放射光実験施設, 助教授 (20114077)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 単色軟X線 / アミノ酸 / 放射光 / 放射線分解 / K殻吸収 / 内殻励起 |
研究概要 |
特定元素のK殻吸収端付近のエネルギーを持つ単色軟X線を生物に照射すると、エネルギーに依存して生物効果が大きく変わることが報告されている。本研究はこの機構を解明するために、硫黄を含むアミノ酸をモデル分子として硫黄のK殻に軟X線が吸収された時にどの様な特異的な分子変化(分解)が起きるかを調べることを目的としている。昨年度は、いくつかの含硫アミノ酸について硫黄K殻吸収による分子分解パターンの変化を調べ、励起元素から離れた結合は切断され難い、硫黄一炭素間結合は他の原子の吸収によっても切れやすい、という現象がアミノ酸の分子種によらないことが明かになった。 平成5年度は生体中と同様な環境である水溶液中で照射した場合に着目した。水溶液中に生成したOHラジカルとの反応によると思われる9個のピークがみられ、そのうちの一つは硫黄一炭素結合が切断されたところに水酸基が結合したホモセリンであることが確認された。OHラジカルの補捉剤を加えるとこれらのピークは減少したが、硫黄一炭素結合が切断されたときに生成するα-アミノ酪酸とアラニンの生成量は減少しなかったので、水溶液中でもこれらはOHラジカルが関与しない反応機構によって生成していることがわかった。水溶液中でのみ見られたピークも併せて、未同定ピークの分子種の同定を試みたが、収量が非常に少ないこと、および特徴的な吸収が見られなかったことから、同定することは出来なかった。アイソトープラベルされた試料を用いる等、生成物の分析に関する別の方法を検討している。
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