研究課題/領域番号 |
04454001
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
遺伝学
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
溝渕 潔 (溝淵 潔) 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (00092346)
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研究分担者 |
森脇 博子 東京大学, 理学部, 助手
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1993年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1992年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | IncIαとIncFIIプラスミド / 複製領域 / 多様性 / 複製装置構造システム / 複製制御システム / 相互的組換え / RNAの高次構造 / 複製領域の多様性 / 複製装置システム / 複製領域の構造 / P307プラスミド / ColIb-P9プラスミド / R100プラスミド / キメラレプリコン / 遺伝的組換え / IncFICプラスミド |
研究概要 |
生体は遺伝子DNAによって高度に組織化された情報システムであり、これらのシステムの編成とその多様化の機構をDNAの塩基配列を基礎に理解することは極めて重要な課題である。本研究は細菌性プラスミドの複製システムを一つのモデルとして、生体システムの多様化の機構を明らかにすることを目的とした。プラスミドの最小複数単位は複製装置構造システムと複製制御システムから構成されている。不和合性の異なる4種のプラスミド(P307、pMU2200、ColIb-P9、R100)の複製最小領域の塩基配列を比較した結果、P307(IncFI)とpMU2200(IncZ)はColIb-P9(IncIα)とR100(IncFII)の先租型が相互的組換えによって形成されたことを見いだした。しかも、P307とpMU2200、または、ColIb-P9とR100は互いに塩基配列のうえで全く類縁性はみられない。この情報を基にして、ColIb-P9とR100から人工的なP307様レプリコンの再構成を試験管内で試み、その性質を解析した。複製起点と複製開始タンパク質遺伝子repZから構成されたColIb-P9の複製装置構造システムが、repA2、inc、repA6遺伝子から成るR100の複製制御システムと結合したとき、P307様人工プラスミドはR100レプリコンの性質を反映して安定に複製することを見いだした。これらの結果はここに示した4種のプラスミドが複製制御システムを相互に組換えることにより形成され、多様化したことを示している。それ故、我々は、少なくともある種のプラスミドにおいては、複製装置構造システムが制御システムとは独立に構築され、進化し得ること、そして、それらの組合せが機能的に適当であるとき、多様な複製システムの生成が可能であると結論することができた。さらに、我々はこれらの組合せを可能としている要素として、複製開始タンパク質遺伝子の発現調節に関与するRNAの特異な高次構造が重要であることも明らかにすることができた。
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