研究課題/領域番号 |
04454012
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物生理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
加藤 栄 東京大学, 理学部, 教授 (50011515)
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研究分担者 |
園池 公毅 東京大学, 理学部, 助手 (30226716)
寺島 一郎 東京大学, 理学部, 助手 (40211388)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1992年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
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キーワード | 葉 / 老化 / 光制御 / タンパク質分解 / クロロフィル / 光合成 / 葉緑体 / イネ |
研究概要 |
1.葉の老化に伴ってタンパク質が分解され、葉の窒素含量が低下する。通常の植物ではタンパク質分解に対する葉齢と被陰の影響を分離できない。そこで、横に這わせたつる植物(セイヨウアサガオ)を用い、葉を同一光条件で育てることにより、葉齢に伴って窒素含量は低下すること、しかし、葉の置かれた光環境がより強い制御作用を持ち、光強度の低下とともに葉の窒素含量が低下することを見出した。 2.群落状に生育させたイネを用い、さらに光の制御作用を詳しく解析した。上部の葉により被陰された古い葉は、強い光強度下で測定した最大光合成活性は次第に低下するものの、光を吸収し、利用する効率は高く維持されていることを見出した。したがって、葉は暗くなった光環境に順化しながら光合成を行なっていると考えられる。さらに、この光合成系の順化的な変化は、被陰によって暗くなる光環境自身が信号となって起きる現象であることが見出された。光の吸収、利用に関与する集光性クロロフィルタンパク質や系Iと系IIの光化学反応中心の分解は非常に弱い光で抑えられるので、被陰されてもかなり安定に存在する。一方、光合成の暗過程に関与するRuBPカルボキシラーゼやATPaseなどの分解抑制には強光が必要であり、このため、少し暗くなるとその分解が進行する。そして、前者は主としてフィトクロム系により制御されており、後者はフィトクロム系、光合成系の他に青色効果も関与する非常に複雑な反応系で調節されていることが示された。 3.上記の結果と関連して老化の進行に伴い、葉緑体の数も大きさも供に減少し、このため葉緑体の量が大きく減少することが示された。
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