研究課題/領域番号 |
04454019
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物形態・分類学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
黒岩 常祥 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (50033353)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1993年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1992年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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キーワード | ゼラニウム / 胚発生 / オルガネラDNA / ハート型胚 / コピー数 / ミトコンドリア / 根の原基 / 細胞増殖 / 高等植物 / 3次元構築 / 卵細胞 / 減数分裂 / 巨大ミトコンドリア核 / ミトコンドリア複合体 / ゼラニウム(Pelargonium zonale) |
研究概要 |
高等植物の材料としては、ゼラニウム(Pelargomiun zonale)を選んだ。 ゼラニウムの植物体形成の過程の多くの事象は、胚発生の過程に濃縮されていると思われるので、この過程を中心に、1.重複受精後の1個の受精卵から球状胚ができるまで、2.球状型からハート型胚が形成されるまで、3.ハート型胚から子葉、幼芽、胚軸、幼根、柄を持つ完成された胚までを大きく3段階に分けて解析する予定で平成5年度は2、3の課題を中心に研究を行なった。この時期の胚は、受粉後5-6日目に観察されたので、テクノビット包埋DAPI染色法を用いて観察しオルガネラのDNAをVIMシステムを使って定量した。 その結果、a).子葉と根冠の原基が形成される過程では、ミトコンドリアと色素体はDNA合成を伴わない分裂を繰り返しながら娘細胞に分配された。従って、胚発生の進んだ細胞内のミトコンドリアと色素体当りのDNA量は著しく減少した。この事は卵が形成される過程で著しく合成されたオルガネラのDNAが胚発生の過程で細かく分散されることを示している。 b).この時期の胚では、葉ではなく根の原基が形成される側が急激に緑色となり、一時的に葉緑体が形成されそのDNAのコピー数が増加した。しかし葉緑体の縮退とともに減少した。この事はオルガネラがDNA合成をともなわない分裂をすることに限度があることを示している。新たな分化が起ころうとする時に、オルガネラの選択的DNA合成が起こる。 c).bの様なことが幼芽、その他多くの組織で起こるかどうか調べ、細胞の局在とオルガネラDNA量との関係を明らかにした細胞地図を作製した。その結果、胚発生の過程における細胞の増殖は基本的には先に提示した仮説「細胞増殖のラセン説」に従っていることが明かとなった。
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