研究課題/領域番号 |
04454025
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
動物発生・生理学
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研究機関 | 大阪産業大学 (1993-1994) 電気通信大学 (1992) |
研究代表者 |
吉澤 透 大阪産業大学, 工学部, 教授 (10028128)
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研究分担者 |
中村 整 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (50217858)
七田 芳則 京都大学, 理学部, 助教授 (60127090)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1994年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1992年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 色覚 / 錐体 / 松果体 / 錐体物質 / ピノプシン / ヤモリ / 分子系統樹 / アイオドプシン(Chicken Red) / Chicken Blue / Chicken Green / ロドプシン / 視物質 / トランスデューシン / Pinopsin / 光受容蛋白質 / アイオドプシン / トランスデュ-シン / 退色中間体 / 部位特異的変異誘導 / 網膜電位 / 作用スペクトル / 視覚 / 情報伝達機構 / 翻訳後修飾 / クロライドチャンネル |
研究概要 |
ニワトリの網膜には薄明視を司る一種の桿体と、昼間視を司る錐体とがある。錐体には、主錐体と副錐体とからなる1種の複合錐体と、4種の単一錐体とがある。これらの錐体の外節から4種類の錐体物質(ニワトリ赤・緑・青・紫)を抽出し、それらのアミノ酸配列を決めた。また、桿体だけを持つヤモリの2種の視物質や松果体の光受容体(ピノプシンと命名)のアミノ酸配列も決め、それらが錐体物質であることを確かめた。これらの視物質のアミノ酸相同性に基づいて、分子系統樹を作成した。その結果、錐体物質は桿体物質(ロドプシン)より、即ち色覚を含めて昼間視は薄明視より先に分化したと考える。ピノプシンは脊椎動物の視物質の先祖型に一番近く、また塩基性残基を中性及び酸性残基に変えることにより、錐体物質がロドプシンに変化したと考える。脊椎動物は出現の早期に四色型色覚を持つが、夜行性になることにより錐体の退化が起こり、ヤモリや或種の哺乳類も二色型に、ヒトは赤型錐体が二つに別れ、二色型から三色型に進化したと考える。 主錐体や単一錐体の内節には、それぞれ特有の有色油球が5種類ある。免疫組織学的研究等から、視物質と油球の視細胞内の局在を決定した。ニワトリ赤(アイオドプシン)は複合錐体の外節に局在し、油球は入射光に対して色フィルターとして働くから、ニワトリ赤の吸収曲線を主錐体の緑油球及び副錐体の内節上部の透過率で補正した。得られた2つの補正吸収曲線はニワトリの昼間視感度曲線とよく一致したので、複合錐体は昼間視の光強度の識別に関与していると考る。従って色覚に関与しているのは単一錐体である。 単一錐体の外節に存在するニワトリ赤・緑・青・紫の吸収曲線を、それれ赤・黄・無色・青の油球の透過率で補正した。その結果、ニワトリは約600nm以下の単色光の波長を、2つの錐体物質の吸収の比で識別していることが判った。更に、色図形を作って検討した所、油球のフィルター効果は、波長分解能を高めていることが判った。
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