研究課題/領域番号 |
04454069
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用生物化学・栄養化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
太田 隆久 東京大学, 農学部, 教授 (30011844)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1992年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
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キーワード | L-乳酸脱水素酵素 / アロステリック / X線結晶解析 / 蛋白質工学 / 基質阻害 |
研究概要 |
1.変異酵素のX線結晶解析: フルクトース1,6-二燐酸(FBP)の結合部位のアミノ酸残基であるアルギニン173とヒスチジン188をそれぞれグルタミンとチロシンに置換した変異酵素の予備的解析によると後者ではヒスチジン残基の複素環と同じ位置にチロシンの芳香環が存在することが明かとなり、ヒスチジンの正電荷と水素結合がFBPの結合に必須であることが明かとなった。 2.基質阻害の解析:セリン198およびセリン318を置換した変異酵素を作成し解析した結果、これら残基がミカエリス定数と阻害定数に関与していることを明らかにした。 3.TおよびR型構造の酵素を含む結晶のX線結晶解析: 新たな条件下で得られた結晶を解析したところ、T型及びR型酵素が1:1で同一結晶格子中に存在する珍しい結晶であり、アロステリック酵素のT、R両状態の酵素構造を同一条件下で解明することが可能となった。精密化の結果、2.5オングストロームの解像度での両構造の分子構造を明らかにした。 2.アロステリック現象の分子機構: 上記の解析により、T状態酵素へのFBPの結合によりP軸界面でのサブユニット間の静電的反発が解消され、FBP結合部位を中心としてサブユニットが回転してR状態になる。その結果Q軸のサブユニット間に形成されている活性部位が変化して活性な形になることがわかった。これにより、アロステリック現象が分子レベルで詳細に解明されたことになる。
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