研究課題/領域番号 |
04454086
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
千葉 喬三 岡山大学, 農学部, 教授 (10036741)
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研究分担者 |
坂本 圭児 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (90205766)
山本 進一 岡山大学, 農学部, 助教授 (60191409)
吉川 賢 岡山大学, 農学部, 助教授 (50166922)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1993年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1992年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 都市近郊林 / マツ枯 / 生物窒素固定 / 土壌有機物 / 窒素無機化・有機化 / システムダイナミックス / 遷移 / マツノザイセンチュウ病被害 |
研究概要 |
都市域の生活環境を保全するための広域緑地として、都市近郊に賦存する森林が注目を集めつつあるが、高度経済成長期以後経済価値を失った都市近郊林は放置され荒廃の一途をたどっている。もともと都市近郊林はその立地的な特性により、極めて複雑な生態系となっており、その植生管理には従来の森林生態学の常識を適用することができない。本研究は、環境林として都市近郊林植生の管理を行うための基礎的な知見を得る目的とした。 本年度は、主として岡山市近郊の森林を対象として、その植生動態、土壌系における窒素循環について調査研究を行った。得られた結果の概要は以下のとおりである。 (1)マツ枯被害林分においては、伐倒駆除処理を行うマツの進入や植生遷移は後退または停滞し、むしろ放置した場合に常緑広葉樹に成長が促進され植生遷移が進行する。その際地掻きを行うとマツの進入が認められる。 (2)システムダイナミックス法によって、マツ枯被害林分の植生動態のモデルを構築した。同モデルによるシミュレーション結果と実際に被害林分を比較したところ、同モデルは極めて高い再現性をもち、マツ枯被害林の管理にあたって有用な情報を提供することがわかった。 (3)遷移過程にある都市近郊林土壌系における生態窒素固定・無機化・有機化速度を測定した結果、いずれも林床の表層において活性が高いこと、真の無機化速度は見かけの無機化速度の数倍に達することが判明した。 (4)都市近郊林の林床有機物の除去を行うと、林床層の生物窒素固定量ならびに無機化量が極端に減少するのみならず、鉱物質土壌層における物理性・生物相が短期間のうちに顕著に変化し、同層における窒素の無機化・有機化活性が顕著に低下し、物質循環、植生遷移に強く影響することが判明した。
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