研究課題/領域番号 |
04454151
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
渋谷 健 東京医科大学, 医学部, 教授 (20074479)
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研究分担者 |
武田 弘志 東京医科大学, 医学部, 講師 (70206986)
渡辺 泰雄 東京医科大学, 医学部, 助教授 (70183720)
佐藤 勝彦 東京医科大学, 医学部, 教授 (00133372)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1994年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1993年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 細胞内Ca^<2+> / Ca^<2+>拮抗薬 / 脳機能障害 / 脳内Ca^<2+>チャネル / nicardipine感受性L型Ca^<2+>チャネル / GABA-peptide誘導体 / 脳虚血 / 痙攣 / Ca^<2+>調節薬 / 培養細胞 / 脳線条体切片 / post-synaptic / pre-synaptic / 神経細胞内Ca^<2+> / Ca拮抗薬 / GABA-ペプチド誘導体 / methamphetamine誘発行動亢進 / 培養小脳顆粒細胞 / GABA受容体 / dopamine放出阻害 / 中枢作用薬検定 / 向精神薬 / 抗不安作用 / 未知環境下 / 精神疾患モデル動物 / diazepam / 5HT_<1A>抗不安薬 / SHR |
研究概要 |
本研究は、高次脳機能障害発症因子の一つである脳神経細胞内Ca^<2+>調節機構に焦点を置き、Ca^<2+>channel活性を調節する広義Ca拮抗薬を基礎医学的手法により薬理効果ならびに作用機序を検索し多角的に解析することにより、安全性が高く、より選択的治療効果を見いだすことを主目的として行ってきた。この目的を完遂するため、本研究は脳神経細胞に存在するCa^<2+>channelのサブタイプの性質をより詳細に研究し、いずれのサブタイプが、いかなる高次脳機能障害を誘発させるかを明らかとして、さらに脳内Ca^<2+>channelに対する各種Ca拮抗薬の薬理学的特性に関して詳細な研究を行った。本研究で得られた成績を要約すると、1)中枢神経細胞における細胞内Ca^<2+>の動態異常は脳内神経細胞死のみならず痙攣発作、協調運動の失調、不安症を誘発させることが培養小脳顆粒細胞ならびに行動薬理学的研究から明らかとなった。2)現在までの研究から脳機能障害と関連したCa^<2+>channelは従来の報告通りglutamate連関受容体チャネルであり、本研究から明らかとなったBay K8644およびnicardipine高感受性のL型チャネルであった。しかも、このL型のCa^<2+>channelは尾状核におけるdopamine遊離ん関与していることが培養脳神経細胞ならびに脳切片を用いた研究から実証された。3)従来のCa^<2+>拮抗薬の中枢薬理作用をFura-2法による細胞内測定法によって比較し効力順に列挙すると、flunarizane>nicardipine>nifedipine=verapamil>>>diltiazemであった。これらの中枢薬理効果は列挙したCa拮抗薬の血液一脳関通過性とほぼ関連しておりdiltiazemと比較して他のCa拮抗薬は通過性が優位であるものと思われる。興味ある研究成績として、flunarizineあるいはnicardipineがglutamate誘発の細胞毒性に効果的であることがin vitroの成績から示唆された。さらに、各種の〔Ca^<2+>〕i修飾物質の薬理的特性の一連の検索中にGABA-peptide誘導体がCa^<2+>channel阻害作用を有することが明らかとなった。しかも、これらの誘導体の中でもPiv-D-Ser-Leu-GABAおよびPiv-Ser-Leu-GABAが大脳辺縁系のdopamine神経活性を特異的に抑制して、運動異常あるいは脳虚血後の機能障害に対して改善作用を有することが明らかとなった。すなわち、脳機能に影響を及ぼす〔Ca^<2+>〕i変動異常に対する治療法として幾種類かのCa^<2+>拮抗作用を有する薬物が有効と思われ、しかも従来とは異なった構造式を有するGABA-peptide誘導体に有効なもののあることが判明してきたことが本研究の成果として列挙される。
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