研究課題/領域番号 |
04454162
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | (財)東京都老人総合研究所 |
研究代表者 |
木村 成道 (財)東京都老人総合研究所, 分子生物学部門, 室長 (60073029)
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研究分担者 |
石川 直 東京都老人総合研究所, 分子病理部門, 研究員 (30184485)
田口 隆彦 東京都老人総合研究所, 分子生物学部門, 研究員 (80073005)
福田 貢 (副田 貢) 東京都老人総合研究所, 分子生物学部門, 助手 (30100126)
島田 信子 東京都老人総合研究所, 分子生物学部門, 助手 (60158962)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | ヌクレオシドニリン酸(NDP)キナーゼ / nm23 / 細胞増殖 / 分化 / 培養細胞 / アイソフォーム |
研究概要 |
1)細胞増殖におけるNDPキナーゼの役割を解明する方法として3つのアプローチを試みた。第1に、静止期と増殖期の細胞についてNDPキナーゼ活性、蛋白量、mRNA量を測定したところ、全てについて増殖期に高い傾向を示したが、両群の差は20-30%と少なくなんらかの関連が示唆されたものの明確とはならなかった。第2に、酵母(Saccharomyces cerevisiae)NDPキナーゼ遺伝子の単離を行い、その過剰発現、および遺伝子破壊の増殖能、胞子形成能、生殖能などに対する影響を調査した。その結果、NDPキナーゼレベルの変動によるこれらの形質に対する影響はほとんど見られないことが判った。しかしながら、遺伝子破壊細胞において野生株の約10%の酵素活性が残存していることが観察されており、NDPキナーゼの役割を正確に推定するうえで解決すべき問題のあることも明らかになった。第3に、NDPキナーゼの発現が癌組織においてしばしば亢進している事実に基づき、正常細胞の癌化過程の初期に起こるとされる不死化現象とNDPキナーゼ発現の動態について検討した。ヒト正常2倍体細胞とその不死化細胞を4組選び、発現を調べたところいずれも不死化細胞群において高い発現の見られることが判明した。この発現の亢進は2種のアイソフォームの両方に認められることが判った。 2)細胞分化とNDPキナーゼとの関係について表皮細胞をモデル実験系として解析を進めた。動物組織には2種のアイソフォームの存在が知られているが、表皮組織について検討を進めたところ等電点のことなる数種のアイソフォームの存在することが示唆された。これらの検出には特異抗体を使用しているので新規関連蛋白質の存在が予測されるが今迄のところその同定にいたっていない。 以上、本研究は細胞増殖、分化におけるNDPキナーゼの役割を解析するための基盤作りに貢献した。
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