研究課題/領域番号 |
04454172
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
嶋津 孝 愛媛大学, 医学部, 教授 (30090400)
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研究分担者 |
志水 泰武 愛媛大学, 医学部, 助手 (40243802)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1994年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1993年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1992年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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キーワード | 褐色脂肪培養細胞 / グルコース輸送 / グルコース輸送体 / ノルエピネフリン / β_3-アドレナリン作働薬 / 視床下部腹内側核 / インスリン / 交感神経 / GLUT4 / ワ-トマニン / GLUT1 / グルコース輸送活性 / β_3-アゴニスト / 2-デオキシグルコース法 / 骨格筋 / 褐色脂肪組織 |
研究概要 |
1.交感神経系によるグルコース輸送体(GLUT)活性化の検証とアドレナリン受容体サブタイプの決定:交感神経の高位中枢である視床下部腹内側核(VMH)を電気的に刺激すると褐色脂肪組織(BAT)、心筋および骨格筋へのグルコース取り込みが選択的に亢進し、この効果は交感神経作用遮断薬グアネチジンの前投与によって完全に抑制された。VMH刺激ラットのBATならびに心筋について、GLUTの細胞内プールから細胞膜への移行が認められるか否かを検討したが、インスリンの作用と異なり、GLUTの細胞内移行は認められなかった。さらに、β_3アゴニストを静脈内に持続注入すると、VMHの刺激効果を再現できるので、BATや骨格筋へのグルコース輸送を促進する交感神経(ノルエピネフリン)の作用はβ_3受容体を介して発現すると考えられる。 2.褐色脂肪細胞の初代培養系の確立とノルエピネフリン(NE)によるグルコース輸送活性促進機構の解析:培養した褐色脂肪前駆細胞をデキサメサゾンで処理することによって、BATに特有の脱共役蛋白質を保持する共に、2種類のグルコース輸送体(GLUT1とGLUT4)を発現させることに成功した。この培養細胞はインスリンおよびNEに反応して、用量依存的に細胞内へのグルコース輸送を促進し、両者の効果は相加的であった。β_3アゴニストはNEよりも2オーダ低い濃度でグルコース輸送を促進した。さらに、PI3-kinaseの特異的阻害剤であるワ-トマニンは、インスリンによるグルコース輸送促進ならびにGLUT4の細胞膜移行を完全に抑えるのに対し、NEによるグルコース輸送促進には全く影響を与えなかった。つまり、インスリンによるGLUT4の細胞内移行にはPI3-kinaseが重要は役割を果たしているのに反し、このシグナル伝達系はNEによるグルコース輸送の促進作用には関与しないことが明らかになった。
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