研究課題/領域番号 |
04454177
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | (財)東京都老人総合研究所 |
研究代表者 |
稲垣 昌樹 (財)東京都老人総合研究所, 神経生理部門, 部門長 (30183007)
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研究分担者 |
小河原 緑 東京都老人総合研究所, 神経生理部門, 助手 (60100111)
辻村 邦夫 東京都老人総合研究所, 神経生理部門, 主任研究員 (10227407)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1993年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1992年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | cdc2キナーゼ / 中間径フィラメント / カルモジュリン依存性キナーゼII / リン酸化反応 / suc1蛋白質 / ポリホスホイノシタイド / ポリホスホイノシタイド結合蛋白質 |
研究概要 |
我々は、グリア線維酸性蛋白質(GFAP)上の複数ある機能リン酸化部位のリン酸化状態をそれぞれ識別して認識する抗体の作製をし、細胞周期の進行に伴って生じる細胞内でのGFAPの部位特異的リン酸化・脱リン酸化反応を可視化し、その時間的、空間的変動を解析した。作製したリン酸化GFAP特異抗体pG1-T、YC-10、pG2抗体は、GFAP上のThr-7、Ser-8、Ser-13、Ser-34がそれぞれリン酸化状態にあるときのみ反応性を示した。細胞レベルの検討で得られた知見を以下に箇条書きにした。 (1) 上記4つのリン酸化部位は全て各グリア細胞周期のうち分裂期にあるグリア細胞のGFAPでのみリン酸化されることが観察された。 (2) Ser-8のリン酸化は分裂前期〜中期において細胞質全体のグリアフィラメント上で生じ、分裂後期になると脱リン酸化された。このリン酸化とはcdc2キナーゼによって遂行されることが明かとなった。 (3) Thr-7、Ser-8、Ser-13、Ser-34のリン酸化は分裂前期〜中期には観察されず、分裂後期から終期に分裂溝近傍のグリアフィラメントに限局して生じ、G1期になるとすみやかに脱リン酸化されることが明かとなった。 以上の結果から、グリア細胞の細胞分裂前半にはGFAPのSer-8をリン酸化するキナーゼがまず活性化され、ついでSer-8は分裂中期にフォスファターゼにより脱リン酸化されると考えられた。また、分裂期後半にはThr-7、Ser-13、Ser-34をリン酸化する新たなキナーゼが分裂溝周辺領域で活性化されることが示唆された。現在、細胞分裂後期に中間径フィラメント蛋白質をリン酸化するキナーゼ、分裂中期にcdc2キナーゼによる中間径フィラメントリン酸化を脱リン酸化するフォスファターゼの同定に関する研究を進めている。
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