配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1994年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1993年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1992年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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研究概要 |
Pit-1蛋白はラット下垂体細胞の核抽出物中のGHの転写を活性化する物質として同定された,下垂体特異的蛋白転写活性因子である。ラットおよび正常ヒト下垂体においてPit-1蛋白はGH・PRL・TSH産生細胞の蛋白転写を活性化し、これらの細胞の機能分化に関与するとされている.これまでに我々は抗ヒトPit-1ポリクロナール抗体を作製し,ヒト正常下垂体パラフィン切片上において,免疫組織化学的に検討し,Pit-1蛋白が多数の下垂体細胞の核に局在し,これらがGH/PRL細胞であるという知見を得た.この抗体を用いて,正常ラット・ヒト下垂体・下垂体腺腫におけるPit-1蛋白の発現を検討した結果,GH産生腺腫,TSH産生腺腫において,全例Pit-1蛋白陽性であり,GH-PRL産生腺腫,PRL産生腺腫においても高率に陽性を示し,一方非機能腺腫・ACTH産生腺腫では陽性率は低かった.二重染色・連続切片法にてPit-1陽性はGH,PRL,TSHβsubunit陽性細胞であることが確認された.また,実験モデルとしてヒトGRFトランスジェニックマウス下垂体に発生する下垂体腺腫が,GH,PRL,TSHを産生し,腫瘍細胞がPit-1蛋白強陽性であることを示した.以上により下垂体腺腫の機能分化/増殖にPit-1蛋白が関与することが示唆される知見を得た.さらに,in situhybridization法によるPit-1 mRNAも現在検討を行いつつある.
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