研究課題/領域番号 |
04454186
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
木原 達 新潟大学, 医学部, 教授 (80018324)
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研究分担者 |
川崎 克俊 新潟大学, 医学部, 講師 (20152944)
山本 格 新潟大学, 医学部, 助教授 (30092737)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
1993年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1992年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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キーワード | 糸球体上皮細胞 / 細胞回転 / オートラジオグラフィー / 糸球体濾過率 / 糸球体濾過 / マイクロパンクチャー / 糸球体濾渦 / 限外濾過 / 尿蛋白排泄 / 心房性ナトリウム利尿ペプチド / 単クローン抗体 |
研究概要 |
1、モノクローナル抗体5-1-6は正常ラットの糸球体上皮細胞のスリット中隔膜近傍の膜表面にある未知の抗原と反応し、蛋白尿を発生させる。糸球体の水、電解質の濾過が基底膜かスリット中隔で行われるのかの命題を解くモデルとなる。抗体投与後2、24時間で単一糸球体のマイクロ穿刺法を実施して糸球体濾過率、毛細血管圧、静水圧、クリアランスから、濾過係数を求めた。その結果、2時間で毛細血管圧、静水圧の上昇をみたが単一糸球体の濾過率は変わらず、濾過係数は50%の減少であった。24時間目では毛細血管圧はなお高く、高静水圧で、糸球体濾過率は高いが濾過系数は正常と同じであった。形態計測法で糸球体の大きさに変化なく、2時間で上皮細胞のみが体積比が大であった。 2.正常糸球体上皮細胞は高度に分化しDNA合成をしない細胞である。その剥離、脱落は糸球体の濾過機能を妨げ、形態の保持もできなくなる。アミノヌクレオシド腎症で糸球体癒着の全過程を光顕、電顕の連続切片で構築し、上皮細胞の同定にモノクローナル抗体1Aを用いた。予め3Hサイミヂンでボーマン嚢上皮細胞をアイソトープでラベル(7%)したラットに癒着を起こさせ、オートラヂオグラフで癒着形成に関わるボーマン嚢上皮細胞の役割をみた。その結果、癒着の形成は糸球体上皮細胞の可逆性変化が臨界点を越えた状態、すなわち非可逆性変化である剥離、脱落となり、これにともなってボーマン嚢上皮細胞は限局性に増殖し、極性を失い、細胞外基質を異所性に作って、糸球体とボーマン嚢との連絡である癒着が完了する事が分かった。この研究の副産物で病的糸球体上皮細胞は細胞回転に入る事を発見した。
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