研究課題/領域番号 |
04454253
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
鈴木 俊介 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (30125588)
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研究分担者 |
鈴木 淳一 横浜市立大学, 医学部, 助手 (80235952)
大久保 隆男 横浜市立大学, 医学部, 教授 (40006705)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
1994年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1993年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1992年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | ARDS / 光散乱法 / 肺胞表面張力 / サーファクタント / 肺胞表面積比 / 成人呼吸窮迫症候群 / 肺水腫 |
研究概要 |
本研究では、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)における肺血管透過性亢進肺水腫の早期診断法の開発を目的とした。肺水腫の早期には肺表面活性物質の活性が低下する。この結果、肺胞表面張力が増加し、肺胞表面積(S/V)比が低下する。我々は既に肺胞表面積(S/V)比を計測する光散乱法の理論を考案しており、これをin vivo肺で測定する方法論を開発した。in vivoでS/V比の推移を測定し、肺水腫の進行状況を知ることができ、肺水腫の早期診断が可能である。 始めに開胸、人工呼吸下での肺にレーザ光を照射し散乱光を測定することにより、S/V比の計測を可能とした。S/V比は吸気では呼気より小さく、吸気に肺胞表面張力が高い。また、換気が速くなると、肺胞表面張力は組織張力より小さくなることを示した。動物肺で気管支肺胞洗浄を行ってサーファクタントを洗いだし、S/V比の変化を測定した。気管支肺胞洗浄後にはS/V比は減少した。これはサーファクタントが減少したため肺胞表面張力が増加したことを示す。オレイン酸肺水腫では、S/V比は各肺気量で低下した。これは肺間質から肺胞腔内へ浸出液が移動し、サーファクタントの活性を低下させ、肺胞表面張力を増加させたものと考えられる。permeadility edemaにおいては表面張力が増加することを初めて明らかにした。LPSを用いたARDS動物モデルにおいて、S/V比を経時的に観察すると、肺コンプライアンスの変化や血液ガスの変化に先立って、S/V比が低下し始めることが明らかになった。 以上のように、本研究において光散乱法をin vivoにおいて測定を可能とし、肺胞表面積比の変化から肺表面活性物質の機能を推定できるようになった。実際のARDSモデル動物で肺胞表面積比の変化を経時的に測定可能とし、ARDS肺水腫の早期診断の可能性が示された。
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