研究課題/領域番号 |
04454254
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
吉良 枝郎 順天堂大学, 医学部, 教授 (20095011)
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研究分担者 |
貫和 敏博 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (40129036)
田村 尚亮 順天堂大学, 医学部, 講師 (10188435)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1993年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1992年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | 間質性肺炎 / C型レトロウイルス / BAL / 合胞体 / SLE / 逆転写酵素 / C型レトロウイルス粒子 / 気管支肺胞洗浄液細胞 / 逆転写酵素活性 / 合胞体細胞 / ヒト・レトロウイルス / 肺胞隔炎 / 内在性レトロウイルス |
研究概要 |
SLEを背景に持つ間質性肺炎症例で認めた未知レトロウイルスの病因として意義について検討を行った。BALF細胞とU937細胞との混合培養上清中には高い逆転写酵素活性を認めた。電顕ではC型レトロウイルス様粒子を認めた。既知レトロウイルスに対する血清抗体やプロウイルスの存在は認められなかった。そこで、感染U937細胞を用いて間接蛍光法による血清抗体スクリーニングを180症例について行ったところ、間質性肺炎(27%)、SLE(24%)で高率に抗体陽性例が認められた。一方、健常者では58例中1例のみで陽性であった。皿に、感染U937細胞より抽出した細胞質蛋白を抗原としてウェスタンブロット法の検討を行った。被験血清はU937細胞で一晩吸収し、非特異的にU937細胞と反応する成分を可及的に除去した。感染及び正常U937細胞由来蛋白に対する発現バンドの差を検定した。本症例の血清を用いた検討では両蛋白に共通した複数のバンドの他、感染U937細胞でのみ約18kDの大きさのバンドの出現を認めた。このバンドは未知レトロウイルス関連蛋白を特異的に認識したものである可能性を有すると考えられた。32症例の検討では、2例の間質性肺炎例で上記のバンドの他に数本の特異バンドの出現をみた。今後は、同定された蛋白を用いた未知ウイルス蛋白の解析を行う予定である。 本ウイルスの遺伝子クローニングにはサブトラクションクローニング法を用いた。192種のcDNAクローンを得、これらのクローンについて遺伝子解析を行ったが、現在までにレトロウイルス由来と考えられる遺伝子配列は検出しえていない。今後更に、様々な解析法を用いた検討を続けたい。今回の検討では未知ウイルスの遺伝子クローニングは成功しなかったが、本ウイルスが原因不明の間質性肺炎あるいは膠原病性疾患の一部の発症に関与している可能性が強く示唆された。
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