研究課題/領域番号 |
04454264
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤原 久義 京都大学, 医学部, 講師 (80115930)
|
研究分担者 |
久萬田 俊明 京都大学, 医学部, 助教授 (70127760)
|
研究期間 (年度) |
1992
|
研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
|
配分額 *注記 |
7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
1992年度: 7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
|
キーワード | ischemic preconditioning / pig heart / 31p-MRS / immunohistochemistry / in situ hybridization / adenosine / energy metabolism / ATP |
研究概要 |
側副血行路のないブタ40頭の心を用いてischemic preconditioning(IP)として5分冠閉塞・5分再潅流を2回繰り返した後、15分sustained ischemia・2時間再潅流モデルを作製し、以下の検討を行った。1)局所心機能の改善効果があるか否かをultrasonic crystalを用いて検討した。2)この間のエネルギー代謝の変化を31p-MRSを用いて検討した。3)200μg/Kg/min×15分adenosineを左房より前投与することにより同様の効果を持つか否かを30分冠閉塞・2時間再潅流モデルで検討した。4)heat shock proteinがpreconditioningにより産生されるか否かをIP後2日間再潅流モデルにてIn Situ Hybridizationおよび免疫組織学的方法で検討した。その結果、以下のことが明らかとなった。1)IPは虚血中にエネルギー消費を減少し、ATP,クレアチンホスフェイト(Pcr)、心筋細胞内PHを保持すると共に再潅流2時間後にはATPを正常化し、Pcrの著明なovershootを再潅流中持続した。すなわちIPは虚血中のみならず再潅流中もエネルギー代謝を改善した。しかし局所心機能はIPのないコントロールと同様でスタンニングの改善効果はみられなかった。2)アデノシンの前投与は虚血中ATPを保持し、再潅流後にはATPの改善を促進した。しかしATPは正常化せず、かつPcrのovershootはみられなかった。すなわちエネルギー代謝からみればアデノシンはIPと類似ではあるが、異なる点もあり、IPの成因はアデノシンのみでは説明できないと思われる。3)IPによるheat shock proteinの産生を酵素抗体法により免疫組織学的に検討するとIP後48時間でpeakとなった。そのmRNAをノーザンブロッティング法にて検討するとIP後3時間でpeakとなった。IP効果はIP後1時間以内に消失することが報告されており、この時間帯ではheat shock proteinは産生されず、IP効果はheat shock proteinの産生とは関係がないと結論した。
|