研究課題/領域番号 |
04454274
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
中島 康秀 産業医科大学, 医学部, 助教授 (20038780)
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研究分担者 |
菅野 公浩 産業医科大学, 医学部, 助手 (20206395)
高原 和雄 産業医科大学, 医学部, 講師 (30163306)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
1993年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1992年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | 低比重リポ蛋白 / 動脈平滑筋細胞 / 細胞内カルシウム / イノシトールシリン酸 / フリーコレステロール / 動脈硬化退縮 / プロブコール / ヂルチアゼム / イノシトール三リン酸 / LDL / SMC / Ca^<++> |
研究概要 |
低比重リポ蛋白(LDL)による動脈中膜平滑筋(SMC)増殖とそれに関与すると考えられる細胞内情報伝達系について検討した。家族性高コレステロール血症由来(FH-)LDLは、正脂血由来(NL-)LDLに比較してSMC増殖を強く増進させた。その機序として第1に細胞へのCa^<2+>の取り込みの増加とCa^<2+>拮抗剤による抑制と細胞内Ca^<2+>の増加を認めた。第2に、LDL投与直後の細胞内Ca^<2+>の動きを同じくFura2による蛍光強度の変化により調べた。細胞内Ca^<2+>は、LDL投与後5秒より急激に上昇し約25-30秒後にinitial peakを形成した。その後plateauが5分以上継続した。initial peakは、ryanodine処理により消失し、Ca^<2+> free mediumによりplateauが消失することにより、前者は細胞内Ca^<2+> storeよりの、後者は細胞外液よりの流入であると推測された。第3に、細胞内Inositol trisphosphateの定量でもLDLは増加が認められた。第4に、FH-LDLとNL-LDLのSMC細胞膜へのfree cholesterol transferについて、検討した。FH-LDLは、その粒子内により多量のfree cholesterolを持ち、そのためfree cholesterol transferがconcentration gradientにより生じると考えられた。またsmall difraction analysisを用いた検討でもFH-LDLは細胞膜の構造上の変化をもたらすと考えられた。 高コレステロール食により作成した家兎モデルにおける動脈硬化退縮に対するProbucolとDiltiazemの効果も合わせて検討した。高コレステロール負荷により完成した大動脈の硬化巣は、続く15週間の薬物投与によりより退縮が進んだ。これは主に大動脈中の脂質の減少によりもたらされており、細胞外マトリックス成分には変化がなかった。
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