研究課題/領域番号 |
04454279
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
松井 陽 自治医科大学, 医学部, 助教授 (00159146)
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研究分担者 |
荒川 洋一 自治医科大学, 医学部, 講師 (00175184)
佐々木 暢彦 自治医科大学, 医学部, 講師 (40225884)
田中 利典 自治医科大学, 医学部, 講師 (30146154)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1994年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 胆道閉鎖症 / レオ3型ウイルス |
研究概要 |
本研究の目的は、1)レオ3型ウイルスに対する抗体を用いて胆道閉鎖症患児の肝に対する免疫組織化学を行う、2)患児の肝からレオ3型ウイルスゲノムを検出する、3)幼弱マウスにレオ3型ウイルスを接種し胆菅閉鎖の病態生理を解明することにあった。1)では、抗レオ3型ウイルス・アブニ-株・ポリクローナル抗体で患児25例中24例の肝にその抗原を検出した。しかし抗レオ3型ウイルス・ディアリング株・モノクローナル抗体との反応はなかった。これは入手したモノクローナル抗体の染色活性が低いためと考えた。今後、抗ディアリング株および抗アブニ-株ポリクローナル抗体の属性比較を行う予定である。2)では、3名の患児および2名の対照児の双方からレオ3型ウイルス・ディアリング株・M1分節のゲノムを検出した。しかしM1がレオ3型ウイルス感染で果たす役割はウイルス学的に不明である。さらにディアリング株よりはアブニ-株の方が新生児マウスの胆菅上皮細胞に対する親和性・病原性が強く、それらはS1分節の一部分に支配されていることが最近判明した。そこで現在、アブニ-株S1のその部分を検出すべくRT-PCR法を行っている。3)ではレオ3型ウイルス・アブニ-株を接種した新生仔マウスの肝および総胆菅に、ヒト胆道閉鎖症と類似の、胆菅上皮の変性、その周囲の単核球細胞浸潤および同株の抗原陽性を認めた。今回の研究では、ヒト胆道閉鎖症の病因がレオ3型ウイルス感染であるか否かを最終的に結論づけることはできなかった。しかし我々の結果はアブニ-株の感染が本症発症のトリガーになっている可能性を強く示唆しており、今後、さらに検討を続ける予定である。
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