研究課題/領域番号 |
04454311
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山田 敦 東京大学, 医学部・(病), 助教授 (60107662)
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研究分担者 |
吉村 浩太郎 東京大学, 医学部・(病), 助手 (60210762)
朝戸 裕貴 東京大学, 医学部・(病), 助手 (20222581)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1993年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1992年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
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キーワード | 筋肉移植 / 筋再生 / ミオシン / マイクロザージャリー / アイソザイム / 筋線維タイプ / マイクロサージャリー / 脱神経 / 再神経支配 / 交差(異)神経支配 / ラット / ミオシンアイソザイム |
研究概要 |
本研究ではラットの速筋遅筋混合型筋である薄筋を使用して、神経血管柄付き筋肉移植モデルを新たに作成し、さらに同筋を用いた脱神経筋モデルおよびself-reinnervation(本来の支配神経による再神経支配、以下self)筋モデルを作成し比較検討した。術後経時的に誘発筋電図を記録し、各筋肉の直径や組成の変化などを検索した(HE染色およびATP ase染色)。さらに構成ミオシンのアイソフォームをピロリン酸電気泳動法を用いて検索した。 移植筋、self筋ともに2〜4週にて再神経支配が確認され、両者の神経再支配までの期間には有意な相違は認められなかった。self筋は、組織および誘発筋電図から16週においてはほぼ正常筋近くまで回復したが、移植筋は脱神経筋と比較すれば再支配の影響が見られるものの、直径で正常薄筋の50%、誘発電位で約25%の回復であった。また、再神経支配が始まっている4週以降においても脂肪変性が進行したり直径の回復が見られないなどは注目すべき所見で、両者の回復の違いは神経支配以外の要因すなわち再建血行、手術侵襲の影響に加えて、とくに腱切断およびそれに伴う不均一な低緊張による影響が大きいと考えられた。筋線維タイプの移行過程と思われる4週以降においてはいずれの筋においても幼若ミオシンは検出されず、タイプ変化に伴い観察された移行型と思われるタイプ2C線維は速筋・遅筋両ミオシンが混在した筋線維であり、幼若ミオシンからなると思われる未分化型のタイプ2C線維とはATP ase活性の表現型は同一であるが本質的には全く異なるものである可能性が示唆された。また脱神経筋及びself筋において術後2〜4週に一時的に幼若ミオシンと思われる移動度の大きいミオシンが検出されたことから、一部のミオシンにおいて脱神経に伴い逆分化といえる一時的な変化が生じている可能性が示唆された。
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