研究課題/領域番号 |
04454312
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
土田 嘉昭 東京大学, 医学部(病)・小児外科, 教授 (80010164)
|
研究分担者 |
本名 敏郎 国立小児病院, 外科医長
谷口 富美子 東京大学, 医学部(病)・小児外科, 医員
尾花 和子 東京大学, 医学部(病)・小児外科, 医員
岩中 督 東京大学, 医学部(病)・小児外科, 助手 (90193755)
横森 欣司 東京大学, 医学部(病)・小児外科, 助教授 (20251291)
橋都 浩平 東京大学, 医学部(病)小児外科, 助教授 (50180815)
|
研究期間 (年度) |
1992 – 1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1993年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1992年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | 総レニン / 活性型レニン / 不活性型レニン / ウイルムス腫瘍 / 間葉芽腎腫 / 多嚢腎 / RIA / 免疫組織染色 / レニン / 腎腫瘍 / 抗レニンモノクローナル抗体 / ウィルムス腫瘍 / 先天性間葉芽腎腫 / 高血圧症 |
研究概要 |
ウイルムス腫瘍に関し、特異的腫瘍マーカーと呼ぶべきものは知られていない。レニンには、活性型レニンのほかにその前駆体である不活性型レニンがあり、血漿中、不活性型レニンは総レニン(活性型+不活性型)の70〜90%を占めている。1985年に不活性型レニンが本腫瘍の腫瘍マーカーになり得るとの報告があるので、ヒトレニン特異モノクローナル抗体によるRIA法にて血漿中の総レニン濃度を測定し、これが本腫瘍の腫瘍マーカーとなり得るか否かについて検討した。まず、予備研究により西浦らが開発したRIA系が総レニン濃度の測定系であることを、酵素法則値との比較、並びに、免疫組織染色により確認した。小児期における血漿中総レニン濃度の正常範囲上限を301pg/mlと定めたが、ウイルムス腫瘍患者13例における血漿総レニン濃度は231pg/mlから1289pg/mlの範囲に分布、13例中9例が正常範囲上限を越える値を示した。術前術後で血漿総レニン濃度を比較したら5症例では、全例、術後にその値の低下がみられた。本腫瘍の病期と血漿総レニン濃度との間に関係は見られなかった。先天性間葉芽腎腫の2例はいずれも正常範囲上限を大きく越える異常高値を示した。この2症例のうちの1例について免疫組織染色を行ったところ、腫瘍に取り込まれた遺存傍糸球体装置のみが特異的に染色され、先天性間葉芽腎腫におけるレニン産生の機序はウイルムス腫瘍の場合と若干異なるのと考えられた。多嚢腎の2症例において血漿総レニン濃度は異常高値を示した。本疾患においては、高血圧症や血漿レニン活性の高値がしばしば報告されているが、血漿総レニン濃度としての測定は本研究がはじめてである。神経芽細胞腫16症例はいずれも正常範囲内の血漿総レニン濃度を示した。尚、肝芽腫の5例中3例と、奇形腫の10例中1例が異常高値を示し、腎外性レニン産生の例と考えられた。
|