配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1994年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1992年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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研究概要 |
有茎皮弁が隣のvascularteirritoryまで拡大されて,すなわち安全領域を越えて使用される時,その遠位端の壊死の危険性は高くなる。このような皮弁を安全に拡大するために,外科的には従来よりdelayが,非外科的に血管拡張剤の静注による全身投与あるいは潅流動脈の上流への動注が報告されている。しかし,静注による全身投与よりも潅流動脈へ直接動注した方が効果的と考えられる。血管拡張剤・抗凝固剤の一つであるPGE_1の灌流動脈への持続注入は,動物実験での有用性は報告されている。しかし、臨床例は稀である。それは有茎島状皮弁では灌流動脈への直接の動注では、血栓などの合併症の可能性があるため積極的には行われていないと推察される。そこで血流を阻害せず、血栓の可能性のない薬剤に投与経路として,(1)灌流動脈の上流血管の分枝により逆行性の経路、(2)隣のvascularteirritoryまで拡大した有茎島状皮弁の隣のvascularteirritoryの灌流動脈への経路である。ウサギの皮弁を利用して実験した結果,(1)の経路では血管拡張剤の投与では皮弁の血流を増し生着領域を拡大した。(2)の経路でも充分な血流の増加はないにもかかわらずウサギの皮弁の生着領域を延長した。血管拡張作用だけでなく実験で使用したPGE_1などの持つ抗凝固作用も,皮弁延長に重要な役割を果たしている所見が得られた。すなわち皮弁は血栓を作らないように維持すれば、血流がなくてもplasmaticimbibitionがある状態でrevascularizationが起こればかなり生着領域が延長されることが分かった。
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