研究課題/領域番号 |
04454325
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
|
研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
小山 研二 秋田大学, 医学部, 教授 (80004638)
|
研究分担者 |
佐藤 泰彦 秋田大学, 医学部, 助手 (80235407)
小棚木 均 秋田大学, 医学部, 助手 (00161935)
田中 淳一 秋田大学, 医学部, 助手 (30171763)
|
研究期間 (年度) |
1992 – 1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1992年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
|
キーワード | 分化誘導 / db-cAMP / 8-br-cAMP / ヒト膵癌 / ヒト胆道癌 / 抗腫瘍効果 / 細胞回転 / ヌードマウス / dB-cAMP / 8-Br-cAMP / 胆道癌 / 悪性度 / DNA |
研究概要 |
膵癌や胆道癌は外科的切除のみで根治させることが困難な予後不良の消化器癌である。本研究では正常細胞に毒性のない分化誘導物質を投与して、癌細胞の生物学的悪性度を低下させ、増殖速度を遅らせることを目的とした。 ヌードマウス可移植ヒト膵癌に対し、cyclic adenosine monophosphate(cAMP)誘導体であるdb-cAMPを投与し、以下の結果を得た。1)組織学的分化度は変化しなかった。2)腫瘍増殖曲線からは、有意な腫瘍増殖抑制効果は認められなかった。3)DNA index、Mitotic indexは、投与量、投与期間により変化しなかった。4)2.5μmol,5.0μmol投与例での細胞周期別細胞分布は、7日間投与終了直後はG1期の増加を認め、投与休止期間をおいた28日目も同様で、腫瘍増殖活性が低下しているものと解釈された。28日間投与ではG1期が減少し、S期が増加した。これは細胞周期においてS期からG2/M期への移行が抑制されているためと考えられた。 胆道癌で、結合サブユニットの異なるcAMP誘導体db-cAMPと8-br-cAMPを投与したところ、5.0μmolの8-br-cAMPが有意に胆嚢癌の増殖を抑制した。胆嚢癌に対するdb-cAMPと、胆管癌に対する2つのcAMP誘導体は腫瘍増殖抑制効果を示さなかったが、細胞周期別細胞数の解析ではS期の相対的増加とG1期の減少を認めた。 以上より膵癌および胆道癌に対して、cAMP誘導体は細胞回転に影響をおよぼし、生物学的悪性度を調節する可能性が示された。しかしながら、単独投与での抗腫瘍効果は顕著ではなく、細胞周期の変化を利用した治療法への応用が期待される。
|