研究課題/領域番号 |
04454331
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
稲本 俊 京都大学, 医学部, 講師 (10135577)
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研究分担者 |
山岡 義生 京都大学, 医学部, 助教授 (90089102)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
1992年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
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キーワード | 肝機能 / 免疫能 / 肝移植 / MTTassay / 拒絶反応 / リンパ球SP(spontaxeous proliferation) / EBウィルス感染症 / 可溶性CD23 |
研究概要 |
当該年度の研究実績は以下のように要約される。 細胞のミトコンドリアの還元活性をみるMTTassayを用い、肝切除例を対象に肝硬変、非肝硬変の2群で手術前後のリンパ球の活性を測定し、肝機能と細胞性免疫との関連を解析した結果、肝切除により、肝硬変患者では非肝硬変患者に比べ、肝機能の低下とリンパ球活性の抑制が認められた。この事実より、肝エネルギー代謝が何らかの機序で細胞性免疫能に影響を与えていることが示唆された。 異系肝移植群のラット(ACI-LEW)と同系肝移植群のラット(LEW-LEW)の末梢血リンパ球を肝移植後に定期的に採取し、その増殖能をチミジンの取り込みにより測定した(spontaneous proliferation:SP)。生体部分肝移植を施行した10例の術後に末梢血よリンパ球を分離し、同様にSPを測定した。1)異系肝移植群ラットのリンパ球のSPは同系肝移植群ラットと比べて明らかに高い値を示した。2)生体肝移植後の検討では3例にγ-GTPが上昇する時期にリンパ球のSPが有意に上昇し、そのうち2例が拒絶反応と診断された。これらの結果は肝移植後、SPの測定は拒絶反応の早期診断に有用と考えられた。 28例の生体肝移植患者の血漿中可溶型CD23をELISA法で測定した。6例の臨床症状を伴ったEBウィルス感染症患者の可溶型CD23値は発症後は発症前と比べ有意に高値を示した。一方、臨床症状を伴わなかったEBWウィルス初感染患者、肝機能異常があるがEBウィルスによるものとは考えられない患者および無症状の患者の可溶型CD23値は、臨床症状を伴ったEBウィルス感染症患者と比べ低値であった。これらの結果は肝移植患者においてEBウィルスによる臨床症状を惹起するほどのB細胞増殖が起こった場合に可溶型CD23が有用なパラメーターとなりえることを強く示唆した。
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