研究課題/領域番号 |
04454416
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐川 典正 京都大学, 医学部, 講師 (00162321)
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研究分担者 |
小西 郁生 京都大学, 医学部, 講師 (90192062)
伊原 由幸 京都大学, 医学部, 講師 (10223299)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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キーワード | toxemia of pregnancy / endothelin / atrial natriuretic peptid / atrial natriuretic peptide / placenta / fetus / brain natriuretic peptide / amnion / amniotic fluid |
研究概要 |
(1)妊娠中毒症妊婦の血中ET濃度 妊娠中毒症妊婦の血中ET濃度は軽症でも正常妊婦より有意に高く、重症群ではさらに高値を示した。分泌が亢進したETは血管を一層収縮させ妊娠中毒症の病態をより増幅、悪化させることも考えられ、妊娠中毒症の病態と母体血中ETが密接に関係していることが示唆された。一方、慢性高血圧合併妊婦では血中ET濃度は上昇しておらず、また高血圧を伴わないDIC例でも血中ET濃度の上昇が認められた。したがって妊娠中毒症における母体血中ET濃度の上昇は高血圧以外に血管内皮の損傷や凝固異常とも関連があると考えられた。 (2)妊娠中毒症妊婦の血中ANP、BNP濃度および血中cGMP濃度 軽症妊娠中毒症妊婦の血中ANP、BNP値は正常妊婦より有意に高値を示し、重症群ではさらに上昇した。ANP、BNPの細胞内second messengerであるcGMPの血中濃度は、軽症群では正常妊婦より有意に上昇していたが、重症群では軽症群と異なり、上昇していなかった。軽症妊娠中毒症では血中ANP、BNPが上昇しcGMPを増加させて血管を弛緩させるという代償機構が作動しているが、重症妊娠中毒症ではその代償機構が破綻していると考えられた。 母体循環におけるEDCFであるET系とANP、BNPにEDRFであるCNP、NOを含めたcGMP系という2つの系のバランスを見ると、妊娠中毒症妊婦、特に重症群では収縮を司るET系が弛緩を司るcGMP系に比べて優位になっていると考えられた。 (3)臍帯血中BNP、ANPおよび胎児仮死症例における変動 胎児仮死症例における臍帯静脈血BNP、ANP濃度は正常新生児より有意に高値を示していた。胎児仮死症例では低酸素状態という負荷により胎児の心臓から代償性にANP、BNPが分泌されていると考えられ、胎児循環においてもANP、BNPが重要な調節因子であることが示唆された。また、胎児循環では重症妊娠中毒症妊婦の母体循環において見られたようなcGMPの産生障害はないと思われた。
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