研究課題/領域番号 |
04454419
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
望月 眞人 神戸大学, 医学部, 教授 (80030922)
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研究分担者 |
出口 正喜 神戸大学, 医学部・付属病院, 助手 (70163938)
山崎 峰夫 神戸大学, 医学部・付属病院, 講師 (00220301)
丸尾 猛 神戸大学, 医学部・付属病院, 助教授 (60135811)
森川 肇 神戸大学, 医学部, 助教授 (30030894)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
1994年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1993年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1992年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
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キーワード | 妊娠中毒症 / エンドセリン-I / 血小板活性化因子 / 高脂血症 / 脂肪酸 / 一酸化窒素 / マグネシウム / IGF-I / エンドセリン-1(ET-1) / 血小板活性化因子(PAF) / 妊娠高血圧症(PIH) / 血管内皮細胞 / エストラジオール / プレゲステロン / PAF-AH / ナトリウムイオン / カルシウムイオン / マグネシウムイオン / 液性因子 / エンドセリン |
研究概要 |
I. 血管内皮細胞機能と妊娠中毒症:1)妊娠中毒症では血管収縮能を持つ血中ET-1濃度が高く、血圧上昇の一因と考えられた。一方、血小板活性化因子(PAF)の血中濃度も高値で、PAF値と血小板数とは正相関が、血圧とは逆相関が観察された。PAF動態からは血管内皮は病体に拮抗的作用をもつといえる。またET-1やPAF分泌調節には性ステロイドの変動が関与していた。2)妊娠中毒症妊婦では、不飽和脂肪酸の比率が少なく、中でもω3/ω6比の低いこと、また、過酸化脂質濃度が高く、その防御機構も減弱した状態であるという脂質代謝の特性が得られた。in vitroにおいてHDLは過酸化脂質の血管内皮障害作用に防御的に働いた。つまり、重症中毒症の内皮細胞障害の一因に低HDL血症が推察された。3)尿中NO代謝産物は妊娠の進行に伴い増加した。また胎盤では内皮型NOSが強く発現しており、誘導型も一部で発現していた。4)尿酸値やヘマトクリット等内皮機能に関わるパラメータは児発育障害の程度と密接に相関した。II.電解質代謝と妊娠中毒症:妊娠中毒症妊婦では血中イオン化Mgと、細胞内Mgが正常妊婦に比べ有意に低かった。また、Mg負荷後の尿中Mg排泄は中毒症妊婦でより少なかった。つまり、本症の病態にはCaだけでなくMg代謝も重要な役割をもつことが示唆された。III.母体の栄養:妊娠中においても非妊娠時と同様、母体血中IGF-1濃度は栄養代謝動態に強く依存しており、母体の栄養状態の増悪や改善が血中IGF-Iレベルの調節に関与していた。重症妊娠中毒症妊婦においては正常妊婦でみられたような血中IGF-I濃度と体重増加量あるいは血中TG値の間の有意の相関は認められず、血中IGF-に濃度は低値であった。本症妊婦における水分の異常貯留や脂肪代謝異常、正常妊婦に比べ負に傾いた窒素平衡などの代謝異常がその原因と思われた。
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