研究課題/領域番号 |
04454426
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
武田 佳彦 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (00033069)
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研究分担者 |
森 晃 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (60219996)
高木 耕一郎 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (90154749)
岩下 光利 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (30124936)
中林 正雄 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (70114585)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1994年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1993年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1992年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | エンドセリン / 低酵素症 / 胎盤 / 血管拍動波形 / 心機能 / インスリン様成長因子 / インスリン様成長因子蛋白 / 低酸素症 / IGF-I, / IGFBP / 血流計測 / Flow Index / 低用量アスピリン / IUGR / 妊娠中毒症 / 脱落膜細胞 / 胎盤絨毛 / IGF-I / IGF結合蛋白 / トロンボモジュリン / ダブルビームドプラー |
研究概要 |
1.IGF-I及びその結合蛋白IGFBPが胎盤における物質通過機能を制御し、その結合蛋白は妊娠週数に対応してSyncytiotrophoblantからCytotrophoblastへと変化し、胎盤の機能分化と対応した。またmRNAはラット胎盤でIGFBP-2のみが同定された。 2.胎児血ではIGFBP1〜4までの全てが固定され母体とは異なりプロテアーゼの活性が認められなかった。しかし体内発育遅延児・巨大児・早産児等でその濃度は異なり、発育状態に対応した変化が認められた。特にIGFBP-2はIUGRで培養しており、IGF-2の発育に対応する意義について再検討すべきと考えられた。 抵酵素症におけるEndothelin-1(ET-1)の増加がacidosisらと相関することを明らかにしたが、実ラットへの抵酵素症負荷実験で胎盤でのET-1増量を確認し、胎児の系統循環血量の増加に対するETの意義を明らかにした。次いで子宮動脈血紮による慢性虚血性低酸素症を作成し、ET-1の胎盤における遺伝子発現を検討した結果、対照の2倍に増量することを明らかにした。胎児の系統循環については新しく開発した血管拍動波形計測法により中心静脈圧の拍動波形を解析し、右心房収縮・右心室収縮・三尖弁開放閉鎖に対応する波形をECGとの相関より明確にし、無侵襲的に右心負荷の程度と心収縮機能の低下を診断できる解析法を初めて確立した。 以上の研究成果により胎児発育障害の発症機転を病態生理学的に考察すると、主要病態は胎盤での物質交換障害に基く栄養輸送の低下に起用するが、胎盤機能は絨毛の着床機構の適応不全による胎盤の機能的形成不全が存在し、更にIGF-I及びその結合蛋白が絨毛一脱落膜相関によって調節され物質輸送機能を調節し、更に胎児では結合蛋白の特異性によって能動的な発育・成熟制御がなされることが明らかとなった。一方、胎児・胎盤系の循環動態では貯蔵血としての胎盤血の系統循環系への動員にエンドセリンが関与し、絨毛での発現が直接的な効果を持つことを明らかにした。また、胎児の系統循環系の機能には右心負荷状態が施し、反映されるが無侵襲的にその機能を評価できる計測法を開発し、臨床応用への新しい道をひらいた。
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